【春ドラマ厳選】絶対見るべき! “おバカキャラ”松田元太主演作や伏線回収ドラマなど、おすすめ3作品
2025年4月8日(火)16時10分 All About
2025年の春ドラマには面白そうな作品が勢ぞろい。今回は、全てのドラマを視聴する元テレビ局スタッフがドラマを厳選し、『恋は闇』『人事の人見』『あなたを奪ったその日から』の魅力を解説します。(サムネイル画像出典:『人事の人見』公式Instagram)
そこでこの記事では、全てのドラマに目を通す元テレビ局スタッフが、独自の視点でおすすめ作品を厳選! 絶対に見るべき3つのドラマを紹介します。
春ドラマの月9、日曜劇場はどんな作品?
おすすめドラマを紹介する前に、今回選ばなかったものの注目度が高い「月9」と「日曜劇場」の作品を紹介します。フジテレビ系の月9では、シリーズ第3期となる『続・続・最後から二番目の恋』を4月14日から放送。2014年に放送された前作『続・最後から二番目の恋』の11年後を描き、小泉今日子さんと中井貴一さんが継続してダブル主演を務めます。このドラマは主要キャストが“実年齢”に合わせてキャラクターを演じる面白さがあり、今作で小泉さん演じる吉野千明は59歳、中井さん演じる長倉和平は63歳。中井さんは月9枠で歴代最年長主役となり、ほかの出演者もベテランぞろいです。月9としては出演者の年齢層が高めなだけに、どんな内容になるのか注目されています。
TBS系の日曜劇場では、4月13日から阿部寛さん主演の『キャスター』が放送。阿部さんといえば日曜劇場の常連俳優で、今回は型破りなニュースキャスター役を務めます。ほかの出演者は、永野芽郁さんやなにわ男子・道枝駿佑さんら。報道番組を通じてどこまで闇に迫っていくのか、見ごたえのあるドラマになりそうです。
『あなたの番です』の制作スタッフが手掛ける『恋は闇』
さて、ここからは筆者が特におすすめするドラマをピックアップします。まず取り上げるのは、4月16日から放送がスタートする『恋は闇』(日本テレビ系)です。志尊淳さんと岸井ゆきのさんがダブル主演を務める作品で、完全オリジナル脚本となります。同局で放送された『あなたの番です』『真犯人フラグ』の制作スタッフが手掛けるドラマです。志尊さんと岸井さんという、名前を聞いただけでワクワクする演技派の2人に期待がかかります。
実力派の志尊淳&岸井ゆきのの演技に期待
志尊さんといえば、NHK連続テレビ小説『らんまん』で演じた、主人公・万太郎の従者として仕える井上竹雄が記憶に新しいです。さまざまな葛藤を抱えながらも常に万太郎のことを考えて行動する竹雄は、ドラマ屈指の人気キャラクターとなりました。2024年公開の映画『52ヘルツのクジラたち』では、トランスジェンダー男性の岡田安吾を担当。難しい役ながら丁寧に安吾を演じ、その演技力が評価されたばかりです。『恋は闇』では、甘いマスクと人たらしな性格でスクープを連発する週刊誌のフリーライター・設楽浩暉を演じます。「愛した男は、連続殺人鬼なのか——?」というドラマのキャッチコピー通り、浩暉は謎に包まれていて次々と疑惑が浮上していくキャラクター。二面性のある浩暉を、志尊さんなら魅力的に作り込んでくれそうです。
岸井さんは映画作品に出演することが多く、2022年に公開された『ケイコ 目を澄ませて』で高い評価を獲得。聴覚障害で両耳が聞こえない小河ケイコを演じ、心に突き刺さる演技を披露しました。今作では、テレビ局の情報番組ディレクター・筒井万琴を担当し、正義感が強い女性を演じます。
『恋は闇』は、万琴と浩暉が惹かれ合っていく中で次々と浩暉の疑惑が浮上していく、というストーリー。愛する人が連続殺人鬼なのか葛藤しながらも、真実を見抜こうとする万琴の姿が描かれます。新感覚の恋愛ミステリーで、毎週目が離せないドラマになりそうな予感。森田望智さん、西田尚美さん、萩原聖人さん、田中哲司さんと渋い演技ができる役者がそろっているところも魅力で、『あなたの番です』『真犯人フラグ』のように話題を生み続けるドラマになりそうです。
松田元太がG帯ドラマ初主演を務める『人事の人見』
続いては、4月8日から放送がスタートする『人事の人見』(フジテレビ系)です。Travis Japan・松田元太さんが地上波ドラマ単独初主演、ゴールデン帯ドラマ初主演を務めます。松田さんといえば、“おバカ・天然キャラ”でブレーク中。今作の主演も『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(同局)でサプライズ報告されるなど、バラエティー番組で大活躍しています。そんな松田さんは、俳優としてメキメキと頭角を現しているアイドルです。『東京タワー』(テレビ朝日系)では、家庭教師先で知り合った専業主婦と危険な恋に溺れる大学生・大原耕二を切なく熱演。『ビリオン×スクール』(フジテレビ系)では成績不良の生徒・紺野直斗を担当し、葛藤を繰り返しながら自分の夢を見つける高校生を演じました。ドラマや映画の出演はまだ少ないですが、さまざまなタイプの役を丁寧に表現し、俳優としての成長を見せています。映画『ライオン・キング:ムファサ』の吹き替えや、劇場アニメ『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』の主人公・らいおんくんの声優も担当する予定で、その表現力の高さが注目されているところです。
松田元太演じる人見廉は“おバカキャラ”!
『人事の人見』で演じる主人公・人見廉は、おバカでピュアすぎる性格を持ち、常に型破りな言動で周りを振り回すキャラクター。松田さん自身にも通じる設定で、脚本の冨坂友さんは松田さんにヒアリングして、その人となりを役に落とし込んでいるそうです。この冨坂さんはコメディー作品を多く手掛ける新進気鋭の劇作家で、今作が地上波連続ドラマの本格デビュー作。松田さんと化学反応を起こしそうな予感で、2人がどんな“おバカキャラ”を作り上げるか注目です。ドラマは痛快オフィスエンターテインメントをうたっており、古い熱血体質が残る大企業が舞台。とにかく人が好きな人見が、既成概念や世間の評価にとらわれずに、目の前の人の本質を見抜いていきます。共演者は、ヒロイン・真野直己を演じる前田敦子さんをはじめ、松本まりかさん、鈴木保奈美さん、小日向文世さんなど個性派ばかり。会社で起きるさまざまなトラブルを取り扱うコメディー作品になるようで、松田さんの新たな魅力も堪能できそうです。特に、前田さんや松本さんはコメディーにもうまく対応できる俳優なので、テンポ感がいいドラマになりそうな予感がします。会社のトラブルを主人公が解決していく、というのも見どころの1つになりそうです。
『あなたを奪ったその日から』は最近定番の“伏線回収ドラマ”に?
最後に紹介するのは、4月21日に放送がスタートする『あなたを奪ったその日から』(フジテレビ系)。北川景子さんが主人公・中越紘海を演じるドラマで、復讐と親子愛を扱う壮大なサスペンス作品です。紘海は、3歳の娘を食品事故で失った女性。事故を起こした惣菜店の社長・結城旭にすさまじい復讐心を燃やし、旭の次女・萌子を誘拐してしまいます。誘拐によって結城に復讐を果たそうとしますが、ある“大きな誤算”があり、紘海は自分の犯した罪に苦しみ、葛藤することに……。結城役は演技派の大森南朋さんが務め、萌子はドラマ『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)で好演技を見せた倉田瑛茉さんが担当。ほかにも、仁村紗和さんやSnow Man・阿部亮平さん、筒井道隆さんなどが出演予定です。
2児の母・北川景子が演じる「母親」の演技に注目
注目ポイントは、「復讐のために行った誘拐が思わぬことになる」と示唆している部分です。キャッチコピーは「この罪は、悪でしょうか。」で、食品事故は業務上過失致死の疑いがあるなど謎だらけ。ポスターでは、文字をよく見ると「奪われたもの」の隠し文字があり、キャッチコピーが「罪」と「悪」の文字だけ色分けされているなど、すでにさまざまな伏線を提示しています。サスペンスドラマでありながら親子愛をテーマとしている部分も謎で、今期のドラマで最大の“伏線回収系”ドラマになりそうです。また、北川さんは第2子を出産後初の連続ドラマ出演となり、「母親」としての迫真の演技に期待大。公開されている予告動画を見ても、笑顔から絶望する表情まで、狂気すら感じるほどの振り幅ある演技を見せています。準主役ともいえる大森さんは主役を引き立てる名バイプレーヤーであるだけに、北川さんの俳優としての新たな顔が見られそうです。
朝ドラや『Dr.アシュラ』『なんで私が神説教』にも注目!
ここまで、特におすすめの春ドラマを紹介してきました。ほかにも、NHK連続テレビ小説『あんぱん』は久しぶりの朝ドラらしい作品で面白く、『Dr.アシュラ』(フジテレビ系)や『なんで私が神説教』(日本テレビ系)など気になるドラマが目白押しです。TVerをはじめ、見逃し配信サービスでドラマが見やすくなっているので、ぜひともお気に入りの作品を見つけて最終回まで楽しんでくださいね。この記事の筆者:ゆるま 小林
長年にわたってテレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。その後、フリーランスの編集・ライターに転身。芸能情報に精通し、週刊誌、ネットニュースでテレビや芸能人に関するコラムなどを執筆。編集プロダクション「ゆるま」を立ち上げる。
(文:ゆるま 小林)