女子高生がTikTokで900万再生、父親から「これ、あおちゃん?」と…“さすらいネキ”永瀬碧(17)が明かす、当時の心境

2025年4月12日(土)12時0分 文春オンライン

 奥田民生の「さすらい」に合わせ、脱力気味に踊る制服姿の少女。2023年10月27日、「おでん」を名乗る女子高生TikTokerがアップした動画は瞬く間にバズり、2025年3月時点で905万超の再生回数を記録している。


「さすらいネキ」「おでんちゃん」の愛称で呼ばれ、現在は本名の永瀬碧で芸能活動をしている彼女に、「さすらいダンス」撮影時の様子、動画がバズった感想と反響、デビューの経緯について、話を聞いた。(全2回の1回目/ 続き を読む)



永瀬碧さん


◆◆◆


「私も上げちゃおっかな」というノリで上げた動画が905万再生


ーー17歳とのことですが、学年は何年になりますか。


永瀬碧(以下、永瀬) 3年生になりました。


ーー奥田民生の「さすらい」に合わせて踊る「さすらいダンス」をTikTokで配信したのは、2023年ですから、1年生のときですよね。


永瀬 そうです。1年生の10月ですね。私の高校は先輩もTikTokを上げてる人がいて、同い年の子も何人か上げてたので、本当にノリで「私も上げちゃおっかな」と思ってやってみたら、あんなことになったみたいな。


 最初の頃は、流行りのものではなく、自分が面白いと思ったものばっかり撮ってたんですけど。そうしたら、中国のおじいさんが踊ってるやつに「さすらい」を被せた動画が回ってきたんです。


ーー元ネタの動画は、中国雲南省に暮らす少数民族“ダイ族”の舞踊を撮ったものらしいですけど。


永瀬 そうです。最初はどこに住んでる人とか、どんな踊りなのか、ぜんぜん知らなくて。「さすらい」って曲も聞いたことはあるけど、曲名とか詳しいことは知らないって感じで。ジャンルがまったく違うというか、曲の雰囲気とか国とか違うのに、なんかうまく合ってるじゃないですか。そこが面白いなと思って。


 その動画が回ってきた頃に、「さすらいダンス」を踊ってTikTokに上げてる人たちもいたことはいたんですけど、まだ少なくて。ちょっと流行ってきたぐらいで、踊ってみた、みたいな。


ーー「さすらいダンス」は教室内で撮られていますが、休み時間に撮影を?


永瀬 学校が終わって、ダンス部の部活に行くまでの間にパッと撮った感じで。窓にスマホを置いて撮ってました。ダンス部の友達が3、4人いたんですけど、みんなスマホの横にいて、私が踊ってるのを見てて。


ーーみんなで踊ろうとは。


永瀬 最初は「これ、みんなで撮ろうよ」って話してたんですけど、みんなはネタ系よりも可愛い系のTikTokが撮りたくて「イヤだよ」って(笑)。でも、私は撮りたかったので、1人で撮りました。


 2回ぐらい撮って、うまく踊れたほうを上げて。


友達や先生だけでなく、文化祭では「おでんちゃん?」と声をかけられた


ーーバズる予感や「バズったらいいな」といった願いは。1ヶ月で400万、現時点で905万の再生回数を弾き出したわけですが。


永瀬 なかったですね。TikTokのアカウントは、高校に入ってから誰でも見られるようにしたんですけど、「さすらいダンス」の前って、1本しか上げてなかったんですよ。普通に友達と流行りの音源で踊った動画で、その再生数が5000くらいで。だから、あんなになるとはぜんぜん思わなかったですね。


ーーわずか2本目で、バズってしまった。


永瀬 最初は、そんなでもなかったんですよね。あの動画を朝に上げて、その後に病院に行って、遅れて学校に行ったんです。その間、TikTokの通知を切っていて。それで学校に着いたら、友達から「メッチャ、バズってんじゃん」って言われて、見てみたら6000ぐらい「いいね」が。でも、それくらいだったんですよね。


ーーそこからガンガンと。最初はうれしかったけど、だんだんと怖くなってきたりは。


永瀬 いや、特に。自分がバズってるっていうより、「なんか、すごーい」みたいな。どこか他人事というか。どっちかというと、まわりが驚いてくれたみたいで。先輩からは「TikTok流れてきたよ」とか言われたし、先生からも「あれ、永瀬?」みたいな。


ーー他の学校の生徒から騒がれたりしませんでしたか。


永瀬 今年の文化祭でありましたね。「おでんちゃん?」って、10人くらいから声を掛けられましたけど、恥ずかしくて逃げてました(笑)。でも、うれしかったですね。


 通学の途中でも、声は掛けられますね。あと人が多いところとか。友達と街に出掛けたり、大きな駅にいたりすると、よく声を掛けられます。同い年のJKとか大学生とか、年代もいろいろで。


 一回、やりらふぃー(異様にテンションが高い状態にある人)みたいな人たちに絡まれて、ガンダ(全力疾走)で逃げました。


ーーなかには「踊ってくれませんか」と言う人も?


永瀬 たまに言われますけど、恥ずかしいですね。「踊ってよ」よりも「動画、待ってます」って言われますね。


ーーコメントも多く寄せられたかと思いますが、どんなものが。


永瀬 「かわいい」とか、そういうコメントが付いてきて「ワー!」みたいな。TikTokはそんな感じで、インスタのDMにはたまにネガティブなコメントとかチャラいのが来ることがありますけど。そういうのが来ても、そんなに気にしないタイプなので、すぐブロックで「ポイ」って感じで。


「事務所に所属してる子がみんなかわいい」が決定打で芸能界入り


ーー「さすらいダンス」がきっかけで芸能界デビューとなったわけですが、バズってすぐにスカウトされたのですか。


永瀬 上げて、バズって、1ヶ月くらいしてからですかね。2023年の11月頃に、事務所の方から「どうですか?」ってDMが来て。事務所に入りたいとか芸能界に行きたいとか、あんまりなかったんですけど、一応気には留めていて。ほかにもお声をいただいてたけど、いまの事務所に所属してる子がみんなかわいいのもあって「ここならいいかも」って。2024年の1月に返事しました。


ーー「芸能界に行きたいとか、あんまりなかった」とのことですが、すこしは興味が。


永瀬 興味は、ちょっとありましたね。あったけど、そういう機会がなかったから、「大学に行って、普通に働こうかな」と考えてましたけど。11月に事務所から連絡が来て、「どうしようかな」って悩んでたんですよ。


 そうしてたら、お父さんがやってるインスタのリールに「さすらいダンス」を無断転載したやつが流れてきて、「これ、あおちゃん?」「そうだよ」みたいな。それまでバズってることも「事務所から声が掛かってるよ」ってのも親には言ってなくて、お父さんに気づかれたタイミングで「スカウトもされてんだけど」って話して。


「あおちゃんがやりたいなら」って言ってくれたので、事務所に返事をしました。


ーー「いまの事務所に所属してる子がみんなかわいい」のが事務所を選ぶ決定打にもなったとのことですが、事務所のサイトかなにかを見たのですか。


永瀬 事務所から連絡が来るすこし前に、TikTokでかわいい子たちが流れてきたんですよ。で、その子たちのプロフィールに飛んでみたら、所属してる事務所がみんなsejuってところで。それでsejuって事務所は認知してて、そうしたら「sejuの〇〇ですが」って連絡が来て「エッ、あそこじゃん。ヤバっ」みたいな。


ーーTikTokでは、かなり前から「おでん」をアカウント名にしていたのでしょうか。


永瀬 最初は「サムギョプサル」っていう名前でアカウントを作ってて、それで他の人たちの投稿を見たりしてたんですよ。でも、違う高校の友達に「サムギョプサル」って同じアカウントの子がいたから、「違うのにしようかな」って。変えた時期が中3で、私は陸上部だったんですよ。で、朝練があるたびにコンビニに寄っておでんを買ってから学校に行ってたんです。それで「おでん」に。


ーー「サムギョプサル」だったのは、シンプルに好物だったから?


永瀬 いや、それまでサムギョプサルを食べたことがなくて。なんとなく、言葉の響きがいいなって。私はどっちも食べ物ですけど、食べ物の名前にする子はあんまりいないですね。


ーーちなみに、おでんの具で一番好きなのは。


永瀬 昆布かな。でも、どのコンビニでも昆布がなくなったみたいなんです。なんか穫れなくなったとかで。


「さすらいダンス」でバズったプレッシャーは特にない


ーー「さすらいダンス」でバズってからは、TikTokへ投稿する頻度や内容を変えたりしましたか。


永瀬 「ああしよう、こうしよう」って、そんなに意識してないというか。友達と撮ったやつを月2くらいで上げてましたけど、事務所に入ってからは「1日に1個を目安に上げようね」って話をして、投稿頻度を上げてます。


 内容はいろいろで、踊る系でもユルいやつとか。最近はエフェクト系のものも上げてます。


ーーTikTokのトレンドを考えながら撮影を。


永瀬 毎週月曜日にマネージャーさんが流行りの音源を送ってくれるので、それを参考に撮ってます。あと、傾向を探るってほどじゃないかもしれないですけど、TikTokって配信する側に特化した機能があって、自分のフォロワーさんが何時ぐらいに自分の動画を見てるのかとか、そういうのがけっこうくわしく見れたりするんですよ。


 それでチェックすると、私の動画は夕方5時とか夜の9時ぐらいに見られてることが多いから、その時間帯に上げたり。実際、そうすると「おすすめ」に載ったりしますね。


ーー「さすらいダンス」でバズったプレッシャーは。


永瀬 「あれを超える再生数を出さなきゃ」とかはないですね。どっちかというと、めんどくさいなと思うときがあるというか。ダンスを習っていたし、部活もダンス部だし、踊ること自体は好きなので。でも、TikTokに限らず、お風呂なんかも入るまでがめんどくさいじゃないですか。そんな感じではありますね。


ーー永瀬さんが通っている高校は、TikTok強豪校だったりするのですか?


永瀬 そんなことないですけど、去年の倍率はすごく上がってましたね。入りたい高校を選ぶとき、TikTokを参考にするんで。それで、うちの学校がTikTokで人気だったみたいなんです。


写真=山元茂樹/文藝春秋

〈 「スカートの下にジャージを穿くと…」TikTokで900万回再生された女子高生・永瀬碧(17)が語る、令和のJK事情 〉へ続く


(平田 裕介)

文春オンライン

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