瀬戸内トリエンナーレも開幕1週間…巨大な女神像や掘りごたつのようにくつろげる球体も

2025年4月20日(日)19時37分 読売新聞

解体された民家の廃材で作られた「ナップヴィナス」(小豆島で)=枡田直也撮影

 瀬戸内海の11の島などを舞台にした「瀬戸内国際芸術祭」の開幕から初の週末となった19日、濃霧の影響でフェリーの一部が欠航するトラブルもあったが、自然と現代アートを求める多くの人でにぎわった。会場では住民が手作りの料理でもてなすなど、コロナ禍での開催だった前回2022年から一転し、来場者との交流も見られた。(浦西啓介、足立壮、津田啓生)

 香川県の小豆島には、巨人を模して作られた女神像「ナップヴィナス」が、海沿いの砂地に大きな体を横たえている。伊東敏光さんと広島市立大芸術学部の有志が、島内で解体された民家の廃材などを組み合わせて制作した。

 長さは23メートル。流木などで作り、前回2022年の芸術祭から出品している巨人像「ダイダラウルトラボウ」(高さ9.5メートル、長さ17メートル)と対をなすという。

 折り曲げた脚や腕、顔などには、つるはしやドリルで掘削したり、手押し車で石を運んだりする人の姿が見える。展示されている小豆島町神浦にはかつて採石場があり、町教育委員会の担当者は「女神像は採石場で働いていた人たちの母親をイメージしている」と説明する。

 小豆島町中山の「中山千枚田」には今回、台湾のアーティスト・王文志ワンウェンチーさんが約4000本の竹を編んだ「抱擁・小豆島」がお目見えした。

 直径15メートルの球体の内部は、掘りごたつのようにくつろげる。足を下ろせるようにくぼんだ部分は、上から見ると小豆島の形になっている。「島は第二のふるさと」と話す王さん。くぼんだ部分に入って体をゆだねると「島に包まれた気分を味わってもらえる」と語る。

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