佐藤天彦九段、チーム全体で描く「色濃い世界観」個性派な後輩棋士2人を指名/将棋・ABEMAトーナメント2024

2024年4月30日(火)12時0分 ABEMA TIMES

 独自の世界を尊重する棋士らしい指名だった。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2024」ドラフト会議の模様が4月27日に放送され、佐藤天彦九段(36)は1巡目に斎藤明日斗五段(25)、2巡目に山本博志五段(27)を指名した。斎藤五段はひねり飛車、山本五段は三間飛車で、それぞれ独自の世界観を持つ棋士。最近になって振り飛車党に転向した佐藤九段にとっても「色濃い世界観」は非常に魅力的だ。

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 今年もリーダーを務める佐藤九段だが、ドラフト前に1つ提案を受けていた。「山本博志君から、よかったら指名してもらえたらという話をしてもらっていました」。若手にとっては知名度を上げる絶好の場。この立候補が、ドラフト構想に大きく影響した。「(山本五段を)中心に組み立てる感じになりました。1巡目はどうしても実績がある人を」と、確実に戦力として期待でき、かつ2巡目だと重複指名もありうる斎藤五段を先に指名。その後にじっくりと山本五段を指名した。「本当にたくさんの候補から絞り込んで、最後はフィーリングもありました」と、組み合わせにも頭を使った。

 クラシック音楽に精通し、将棋と音楽の世界を重ねて例えることも多い佐藤九段だが、作曲家同様に独自の世界を持っている棋士には興味がわく。「山本さんは三間飛車で非常に色濃い世界観を持っている。斎藤さんは振り飛車党ではないけれど、感性も非常に豊かに指していこうという将棋の作り」と説明した。佐藤九段も居飛車党から振り飛車党に変わり、自分だからこそ作れる将棋はどんなものかを探す日々。トレンド、定跡とは離れたところにある将棋の世界を追求する、そんな3人だ。

 それだけに、実際に盤上でどんな将棋が展開されるかは、リーダーですら予想ができない。「世界観を持つキャラクターが揃っていると、うまくいくと相乗効果でお互いを認め合いながら、いい空気でいい将棋を指していける」と、化学反応のようなものにも期待する。その中で、公式戦でもなかなか生まれないような名局が出た時には、佐藤九段もたまらない笑顔を見せるだろう。

◆ABEMAトーナメント2024 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が7回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士11人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全12チームで行われる。予選リーグは3チームずつ4リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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