松本若菜(41)が激しい絡みを演じきり、“美人なのに怪演”を続けてきた“意外なワケ” 佐藤健は「自分がキレイなことに照れちゃってる」と…
2025年4月30日(水)12時0分 文春オンライン
「あのときの若菜ちゃんのままでしたね。ひょうきんなところというか、大阪のおばちゃんみたいなところが」

4月期のGP(ゴールデン・プライム)帯ドラマ『Dr.アシュラ』(フジテレビ系)に主演する松本若菜さんは、現在41歳。
『Dr.アシュラ』はGP帯の連ドラ主演3作目となりますが、GP帯の連ドラに主演したのは昨年の『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)が初めて。40歳にして手にした主役の座だったのです。
遅咲きでブレイク中の松本さんが時代に求められている理由とは?
佐藤健は「自分がキレイなことに照れちゃってる」
鳥取県出身で、20代前半に地元を出て上京。2007年の『仮面ライダー電王』(テレビ朝日系)で俳優デビュー。実は『電王』の主演は佐藤健さんで、松本若菜さんは主人公の姉役で共演していました。
そして2人が17年ぶりに同じ作品に出演したのが、昨年12月公開の映画『はたらく細胞』。冒頭の佐藤さんの松本さんへのコメントは同作の公開前イベントでのことでした。
続けて、「照れ屋さんだから、たぶん自分がキレイなことに照れちゃってる。おもしろい顔とかしないと気が済まないんだと思います」とも語っていました。
デビュー作以降の芸能活動は低空飛行続き。さまざまな作品にバイプレイヤーとして出演するも、俳優として日の目を見るまで約15年もかかっていました。飲食店のアルバイトは33歳まで続けていたといいます。“がんばる美人”を地で行く半生を送ってきたのです。
何度も関係を持ってはディープキスを繰り返し…
転機となったのは3年前の2022年。漫画家・黒澤Rさんの原作作品の実写化ドラマ『金魚妻』と『復讐の未亡人』へ立て続けに出演したことでした。
まず2022年2月から配信を開始したNetflixとフジテレビの共同制作のドラマ『金魚妻』。
松本さんは全8話のうちの第5、6話の「頭痛妻」編に出演し、頭痛に悩む主婦を熱演。犬の散歩中に偶然出会ったある男性との情事に溺れていくというストーリーでした。
何度も関係を持ってはディープキスを繰り返す、松本さん演じる主婦とその男性。スカートの中に顔を入れられて「あんまり見ないで」と吐息を漏らしたかと思えば、彼女が男性の上にまたがる大胆なシーンも。それでいて、この「頭痛妻」編はミステリー要素もあるのがすごいところ。
さらに『復讐の未亡人』(Paraviとテレビ東京が共同制作、2022年7月〜地上波で放送)では、松本さんはドラマ初主演を果たします。夫を自殺に追いやった同僚たちをターゲットに、主人公がハニートラップなどを仕掛けて復讐を果たす物語で、本作でも妖艶で甘美な松本さんが激しい絡みを演じきり、話題を呼びました。
松本若菜が世間から“見つかった”ドラマとは?
さらに、直接のブレイクにつながり「松本若菜」という俳優が世間から大々的に“見つかった”のは、2022年4月期のGP帯ドラマ『やんごとなき一族』(フジテレビ系)です。
超富豪の家に嫁いだヒロインの波乱万丈の日々を描いた作品で、松本さんは主人公の義姉役。松本さんが演じる義姉の過激な嫌がらせや表情が強烈で、往年の“昼ドラ”を彷彿とさせつつもコミカルさがあり、「松本劇場」とも呼ばれました。美人なのに振り切った怪演ができる役者として、俳優・松本若菜の知名度が急上昇したのでした。
「西園寺さんロス」を生み出すほどのヒット作に
そしてGP帯ドラマ初主演を飾ったのは、2024年7月期の『西園寺さんは家事をしない』。このドラマが“化けた”のは放送開始からしばらく後でした。回を重ねるごとに「おもしろい」と話題になり、うなぎ上りに評価が高まっていったのです。
それは、もちろん相手役を演じたSixTONES・松村北斗さんの演技がハマっていたということもありますが、やはり最大の要因は松本さん演じる主人公が、とてもキュートで好感が持てたことにあるでしょう。
主人公・西園寺一妃はアプリ開発企業のマネージャー職という“しごでき”女性。松村さん演じる同僚に恋心が芽生えていくのですが、アタフタする姿に痛々しさは皆無。常に一生懸命な西園寺の振る舞いがなんだか愛おしく感じられ、ついつい応援したくなるのです。
『電王』の頃から変わらないという松本さんの自然体で飾らない明るいキャラクターと、「西園寺一妃」の役柄がマッチしていたからではないでしょうか。
こうしてGP帯ドラマ初主演作が「西園寺さんロス」を生み出すほどのヒットになりました。
2024年10月期にもGP帯ドラマ『わたしの宝物』(フジテレビ系)の主人公に抜擢された松本さん。
最新の主演ドラマ『Dr.アシュラ』は、「アシュラ」と呼ばれる凄腕救命医の活躍をスピード感ある演出で描く医療もの。急患を同時にオペするといった修羅場をくぐり抜けていきます。スーパードクターが主人公の本作は、医療ものの定番とも言えそうな設定ですが、これまでのように演じ方の幅の広さを見せつけつつ、松本さんがどのような結果を残すのか、注目が集まります。
(堺屋 大地)