『あんぱん』舞台・高知へのGW旅行予約が2倍に 今田美桜&北村匠海のフォトスポットも人気沸騰

2025年4月30日(水)12時53分 マイナビニュース


●GW旅行予約の伸び率が国内トップ! 万博開催の大阪を上回る
アンパンマンを生み出した漫画家・やなせたかしさんと妻・暢さんをモデルにした連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合 毎週月〜土曜8:00〜ほか ※土曜は1週間の振り返り)が放送中のいま、やなせさんの出身地で、かつロケ地でもある高知県では、同作を盛り上げるべく、さまざまなキャンペーンを実施中だ。そんな地元の盛り上がりぶりについて、高知県観光政策課の西森大祐氏に話を聞いた。
112作目の朝ドラとなる『あんぱん』は、やなせさんと暢さん夫婦をモデルに、何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描く愛と勇気の物語。小松暢さんがモデルのヒロイン・朝田のぶを今田美桜、やなせたかしさんがモデルの柳井嵩を北村匠海が演じている。
西森氏は『あんぱん』について「最初に驚いたのは、高知県での視聴率です」と語るが、3月31日の初回放送は、県内世帯の総合視聴率が驚異の41.6%(ビデオリサーチ調べ)を記録したことは記憶に新しいところだ。この数字は、放送と同時に見るリアルタイム視聴率の26.2%、録画などで時間をずらしてみるタイムシフト視聴率の18.4%を合計したものから重複分を差し引いた数字だが、関東の22.6%、関西の21.3%と比べても圧倒的な数字を誇る。
そんな注目度の高さを見せつけた『あんぱん』だが、放送が始まると、レビューでも軒並み高評価となり、それを受けてか観光地としての高知にも今、スポットが当たっている。西森氏も観光客の伸び率については、手応えを感じているそうだ。実際に今年のゴールデンウィークに関して、旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)が扱う旅行予約者のうち、高知県を行き先に選んだ人が前年の2倍となり、国内での伸び率としては現在「EXPO 2025 大阪・関西万博」が開催されている2位の大阪を上回り、最大の数字となったそうだ。
ちなみに、植物学者・牧野富太郎博士をモデルにした『らんまん』で取材した時も、高知県立牧野植物園の動員数が対前年比245%、地元の佐川町の観光客に至っては対前年比506%と聞いて、すさまじい朝ドラの経済効果に驚いたが、今回はやなせさんが描いた子供たちのヒーロー「アンパンマン」も絡んでくるということで、ファミリー層の集客もさらに多くなりそうだ。
『あんぱん』について地元ならではの評判を聞くと、西森氏は「出演者の方々の土佐弁が、県内の人が聞いても違和感なくすっと聞けるところもいいですね。いろいろな土佐弁が出てくるのも楽しいです」とコメント。驚きや嘆きの気持ちを強調する感嘆詞「たまるかー!」はすでにネット上でも話題を呼んでおり、今年の流行語に絡んでくる可能性も。
実際に、町中を歩いてみると、商店街には『あんぱん』のキービジュアルの看板やポスターがあちこちに掲げられている。また、鮮魚店や精肉店、雑貨、洋服屋、飲食店など、個性的な店舗が集まっている「ひろめ市場」では、『あんぱん』のヒロイン・のぶの実家が営む「朝田パン」のセットを再現。のぶ役・今田と嵩役・北村のパネルも展示され、人気フォトスポットとして連日賑わっている。
●やなせたかしワールド広がる高知 妻・暢さんへの手紙は必見
また、高知県観光政策課では「どっぷり高知旅」というキャンペーンを展開中。特に注目したい観光スポットは、香美市立やなせたかし記念館(アンパンマンミュージアム、詩とメルヘン絵本館、別館)だ。
「実は、子供だけではなく、大人が楽しめるミュージアムになっています。やなせさんの言葉の力がすごくて、人生経験を積んだ大人だからこそわかる言葉も多いです。自分自身の経験と重ね合わせて読むと、自分の思っていることを代弁してくれているようなものもあれば、『ああ、なるほど。そういう風に考えればいいのか』と気づかせてくれるものもあって、本当に心に刺さります」としみじみ語る西森氏。
なかでも企画展の別館にて展示されているという、やなせさんが妻の暢さんに宛てて書いた長文の手紙が必見だと言う。「原稿用紙に書かれた手紙ですが、暢さんへの愛を感じる内容で、すごくいいんです。出会った頃からの思い出をはじめ、いろいろなことが書かれていますが、やなせさんは文章もすごく上手なので、とても引き込まれます」。なお、チケットは予約制なので、訪れる際には早めにチェックしていただきたい。
そして高知県内は、鉄道も「アンパンマン」推しである。「アンパンマン」のラッピングを施したJP四国の「アンパンマン列車」が25周年を迎えることを記念し、初代デザインを復刻した列車が現在運行中とのこと。「アンパンマンシート」は子供たちにも大人気なので、ファミリー旅行客におすすめだ。また、往復特急列車普通車指定席にバス、3館共通の入館チケット、お買い物券、お食事チケットなどがセットになった「高知やなせたかし記念館プレミアム切符」も発売されている。
ほかにも高知県内には、高知駅のアンパンマン列車ひろばや、「アンパンマン」たちがデザインされた、とさでん交通路面電車、各駅にやなせさん作のキャラクターがいるというごめん・なはり線のくろしお鉄道など、様々なところでやなせさんが生み出したキャラクターたちに出会うことができる。
西森氏によると、「やなせさんは、頼まれたら断れないという性分の優しい方だったようで、たとえ予算が少なくても、高知県のためにいろいろなキャラクターを描いてくださったそうです。やなせさんの『人生は喜ばせごっこ』という言葉は、高知人の県民性に通じるところがあるのかもしれません。」と笑顔で語る。
ますます今後の展開が楽しみな朝ドラ『あんぱん』。今年のゴールデンウィークは飛び石連休なので、国内での小旅行を楽しむ人も多いとか。ぜひこの機会に高知県でやなせたかしワールドを体感していただきたい。

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