『タッチ』三ツ矢雄二&日高のり子が語り合うアフレコ裏話「苦労したことは日高のり子のお世話です!」「居残りにも付き合ってくれました」《上杉達也×浅倉南 声優対談》

2025年5月1日(木)7時0分 文春オンライン


あだち充の代表作『タッチ』。アニメ放送開始から今年で40年を迎えた。南と達也がアフレコ収録の裏話や作品の魅力を語りあった。







【『タッチ』あらすじ】双子の兄弟、上杉達也&和也と、浅倉南は幼馴染。明るい南と高校球児で優等生の和也はお似合いのカップルと思われている。しかし南は、成績もスポーツも振るわず頼りない達也に惹かれて……。甲子園出場を懸けた試合当日、和也は事故で帰らぬ人に。達也は野球部に入り、南の思いを背負って甲子園を目指す。



日髙 私は『タッチ』のオーディションを受けた頃、崖っぷちアイドルから声優に転身したばかりだったけれど(笑)、三ツ矢さんはすでに声優として多くの作品に出ていましたよね。


三ツ矢 うん。それまでは、わりと甲高い声の個性的なキャラクターを演じることが多かったんですよ。普段のオーディションは「◯◯役の三ツ矢雄二です」って自己紹介をして台詞を読むんですが、『タッチ』の時は、他の候補者含め自己紹介はせず、台詞だけ読んで、オーディションを受けました。いざ合格して「達也役は三ツ矢さんです」となった時に、みんな「えっ、大丈夫か!?」って思ったみたい(笑)。


日髙 『タッチ』は覆面オーディションでしたもんね。実は、三ツ矢さんは和也役も受けていたそうですね?


三ツ矢 受けたけど、達也に選ばれたかったから和也役のオーディションは、気合いを入れずにやりました(笑)。だってプロデューサーから「達也の方が長生きだから、達也に決まるように頑張れよ」って耳打ちされていたからね。


日髙 私は駆け出しの声優だったから、審査した方たちは私の声をほとんど知らなかったはず。それが、かえって新鮮だったのかな。


三ツ矢 僕が達也に決まった後もしばらく、南役の審査は難航していたんですよ。1981年に原作の連載が始まり、浅倉南というヒロインはすでに絶大な人気を誇っていたし、プロデューサー陣や監督さんは相当悩んだと思う。ようやく決まった時「日髙のり子っていうアイドル出身の子で、声優としては駆け出しだから面倒見てやってくれ。それも含めてのキャスティングだから」と監督に念押しされました。
日髙 三ツ矢さんの方が先に決まっていたのにね(笑)。でも、もしかしたら、最初から南は新人でやるつもりだったのかもしれませんね。


三ツ矢 「『タッチ』で一番苦労したことはなんですか」ってよく聞かれるんだけど、「日髙のり子のお世話です!」って答えてます(笑)。


日髙 ハイ、もう本当にお世話になりっぱなしでした。私だけなかなかOKが出なくて居残りしている時も、三ツ矢さんは自分の分は終わっているにもかかわらず付き合ってくれて。


 現在配信中の「 週刊文春 電子版 」および24日(木)発売の「週刊文春」では、三ツ矢さんから日髙さんへの「すごい迫力だった」演技指導、上杉和也役の難波圭一さんや新田明男役の井上和彦さんとの掛け合い、あの名セリフ誕生の舞台裏など2人の対談全文を公開している。


(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年5月1日・8日号)

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