フジ「サン!シャイン」 自局“不適切事案”を今回はスルーせず報道、谷原章介「引き続き報じていきたい」
2025年5月1日(木)10時57分 スポーツニッポン
フジテレビの情報番組「サン!シャイン」(月〜金曜前8・14)が1日に放送され、元タレント中居正広氏(52)の女性トラブルに端を発した問題で、フジ・メディア・ホールディングス(HD)が30日、フジHDの金光修社長(70)と社外取締役の茂木友三郎氏(90)ら3氏が6月に開催予定の株主総会をもって退任する人事を発表したことなどを報じた。
世論の逆風が収まらず、大株主たちがフジの人事を巡る主導権争いを繰り広げる中、人事案を撤回する格好となった。
フジHDは3月に経営陣の新体制案を発表。その後、株主の米投資ファンドのダルトン・インベストメンツが金光氏ら留任予定の取締役を「オールドボーイズクラブ」と批判して交代を求め、SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長(74)ら12人の新取締役候補を提案した。北尾氏も会見を開きフジHDの人事案を「不十分」と一蹴。アニメ事業で結果を残してきた清水賢治専務(64、現フジテレビ社長、次期フジHD社長)については「残していい」などと提言。営業利益の半分以上を占める不動産事業の切り離しなど、経営に関する構想も掲げていた。
金光社長とフジの清水賢治社長は30日、組織の再生・改革に向けた具体策を総務省に報告。「楽しくなければテレビじゃない」というモットーを過度に重視してきた風土から脱却し、編成局、バラエティ制作局など制作部門の組織を解体・再編してアナウンス室は独立させるといった内容を盛り込んだ。
第三者委員会が3月31日、報告書を公表。当時同局アナウンサーだった被害女性が「業務の延長線上で、中居氏から性暴力による重大な人権侵害の被害を受けた」と認定した。フジ側が被害女性よりも中居氏を優先する行動を取ったことに加えて、社内ハラスメントの横行や女性社員を添え物のように扱う差別的な企業体質も指摘された。
「大人たちがニュースの喜怒哀楽を共有するニュース情報番組」がコンセプトの「サン!シャイン」は、これまで再三にわたってフジテレビの“不適切事案”をスルー。中居氏の問題で被害女性が代理人弁護士を通じて公表したコメント、民放連がフジの対応には「人権意識とコンプライアンスに著しく欠けるところがあった」としてフジを厳重注意したこと、報道番組「Live News イット!」メインキャスターを務める元NHKアナウンサーの青井実氏)に不適切な言動があったことを他局の情報番組が報じる中、全く報じなかったが、この日、MCの谷原章介は「われわれサン!シャインも引き続きフジテレビの問題は報じていきたいと思います。変わるべく努力する姿、どうか見守ってください」と呼び掛けていた。