石破茂首相 米国からのコメ輸入増に「1つの策」「断言できません」とし、日本の農政の検証に言及

2025年5月11日(日)9時24分 スポーツニッポン

 石破茂首相(68)が11日、フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」(日曜前7・30)に出演。米トランプ政権が、すべての貿易相手国に対し一律10%の関税措置を課す姿勢を見せていることについてコメントした。

 米政権は4月5日、国別の貿易赤字を参考に独自に設けた「相互関税」の第1弾として、ほぼ全ての国に10%の関税を課した。9日には約60カ国・地域を対象に、税率を上乗せする第2弾を発動したが、米債券市場や株式市場の混乱を受け、90日間の停止を決めた。

 トランプ大統領は今月8日「一部の国は巨額の対米貿易黒字があるため、関税はより高水準になる」と指摘し、英国との交渉合意で維持した10%関税の妥結が最低水準になるとの考えを示した。一方、9日には、例外的な対応を取る可能性にも言及した。

 日本は米国に一連の高関税策の撤廃を求めているが、米政権は日本にも同様の対応をするとみられ、厳しい交渉が続くとみられる。米商務省によると、米国のモノの対日貿易赤字は2024年に687億ドル(約10兆円)となり、台湾、カナダなどに続き8番目に大きい。

 同局解説委員の松山俊行氏が「コメについては、ミニマムアクセスの量が決まってますけれども、この中でも米国からのコメだけではないということで、この米国の輸入米の比率を上げるっていうのが1つの選択肢じゃないかって意見がありますけども、そういった考えについては総理はどう考えますか?」と聞くと、首相は「それはどんなコメですかって話であってね、コメっていう商品があるわけじゃなくて、車でもいわゆるカローラとかそういう車からレクサスまでいろんな車があるようなもんで、米国のコメでも日本の消費者の嗜好(しこう)に合ったもの、そしてリーズナブルな価格なものって何ですかっていう、そこをもっと突き詰めないといかんのであってね、単に量だけ増やしゃいいってものではございません」と述べた。

 元大阪市長で弁護士の橋下徹氏が「コメの輸入量を増やすということも石破さんの頭にはあるんですか?」と突っ込んで聞くと、「それは消費者の皆さん方が安全でおいしいコメにアクセスできるということを実現するのも日本政府の責任です。だけれども日本のコメはもっと力があるはずなので、それを伸ばしていくことも必要。この両方をどうやって満足するかということなんですね」と答え、さらに橋下氏が「でも現実、今足りないんだったら増やすということも1つの策ですよね」と問うと、「それは策の1つではあるが、ここ50年、世界中がコメの生産を増やしてきたわけですよ、中国だって米国だってインドだって、この50年、60年の間、コメ生産を3倍にしてきたわけですよね。世界全体では3・5倍になっているわけです」と説明。

 そのうえで「日本だけはコメ生産減らしてきましたということは、本当に正しかったですかということですよね。国内で高齢化が進んで人口が減っている。だからコメの生産は減っても仕方ないんだという考え方をもう1回立ち止まって考えてみるべきじゃないかということ」とコメ政策の検証に言及。「だって日本のコメって今、ニューヨークだろうとパリだろうと、おにぎり屋さん長蛇の列ですよ。こんなおいしいコメがあるのか、それは自動車と一緒でこんなに安全で素晴らしい車があるのかということで世界を席けんしてきたわけですよね。なんで自動車でできることがコメでできないのか。それは日本は国土が狭いからだ、農地面積がちっちゃいからだ、以上おしまい、というところから脱却しなきゃいかんのではということです」と自身の考えを述べ、橋下氏は「結局、輸入量を増やすということは言っていただけないですね」と返していた。

スポーツニッポン

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