「思い出すとぜいぜいはぁはぁって過呼吸に…」突然引退→“洗脳騒動”で25キロ激太りした元グラドル・小阪由佳(39)が語る“その後の人生”

2025年5月24日(土)12時0分 文春オンライン

〈 49kgの美脚グラドル→75kgの“お腹ダルダル”状態に「太りなさいと言われて…」小阪由佳(39)が語る“激太り時代”の衝撃の真相 〉から続く


 グラドルの登竜門ともいえる「ミスマガジン2004」でグランプリを獲得し、「コサカーナ」の愛称で人気を集めたグラドル・小阪由佳(39)。2009年に表舞台から姿を消した後は “洗脳騒動”を経て、保育事業に取り組んだ。自分が本当にやりたいことと向き合うなかで、小阪が見出したのはタレントの育成。


 現在、芸能事務所の社長として多忙な日々を送る小阪が言葉に力を込めるのは、「自尊心」の大切さだ。その背景にある想いを聞いた。(全3回の3回目/ 最初から読む )



小阪由佳さん ©山元茂樹/文藝春秋


◆◆◆


“本当の自分”の前に“芸能人の自分”を作っちゃった


——それまでは「自尊心」や「自己肯定」という言葉を知らなかったんですか?


小阪由佳さん(以下、小阪) 知りませんでした。ずっと求められるものに応えることだけを考えていたので、「自分」がないままに仕事を続けてきたんだと思います。“本当の自分”が形成される前に、“芸能人の自分”を作っちゃった。


 でも、なかなか自尊心って取り戻せないんですよ。


 自尊心=自分のことを良いと思える気持ち、という言葉を知ってしまうと、自分を傷つけた自分も許せないし、芸能から逃げた自分も許せない。何もかもが許せない。


 まず自分を許すところから向き合う過程の中で、この(自分に命令してくる)女性とは一緒にいちゃいけないのかなと疑問を抱くようになって、縁を切りました。


——その後2010年から保育の仕事を始めましたね。


小阪 シンプルに子供が好きだったんです。ただ、保育を始めると言った時はものすごくバッシングされました。


「飲食ならまだしも、保育は難しい。やめたほうがいい」とか、すごい言われました。


 ただ、何をやってもバッシングされることが、あまりにも悔しくて。私、何か悪いことしました? って……。そこで、これはもう継続する時間でしか本気度を証明できないと思って、「10年はやる」と決めたんです。


10年経っても付きまとった、自分に関するデマ


——保育の仕事を10年やってみて、どうでしたか。


小阪 当時は、私にとって絶対に必要な仕事だったと思います。


 子どもは私を利用しようとしない。軽く対人恐怖症で人を信用できなくなっていた私には本当に大切な時間でした。保育事業を10年続けてるなかで、国の制度がかわり、保育園の環境も変わり、自分が保育をやることで、誰が救われるのか? など自分の存在意義を考えたりしていました。




©山元茂樹/文藝春秋


——自分の存在意義……ですか?


小阪 10年の節目ということで、テレビ番組の取材が入ったんですよ。


 集大成を密着してくれるという話だったので、それは嬉しいと喜んでいたら、昔ネット上で広まった私に関する噂が原因で、特集できなくなっちゃったっていう連絡がきて。デマだと言っても、「難しい」と。


 続ければ認めてもらえると思って奮闘してきたけど、結局10年経っても私はデマに振り回されるんだと思った時、「私の10年はなんだったんだ」と……。


 そこで改めて振り返ってみたら、10年は他人を見返すために決めた期間だったというだけで、自分との約束ではなかったなと。


——自分がやりたいことではあったけど、評価軸が他人にあったというか。


小阪 そうなんです。そこで10年の節目で保育事業を一回ストップして、もう一度自分は何をしたいのかを考えた時に、メンタルコーチを含めたタレント育成をする芸能事務所を立ち上げました。


 ちょうど、芸能を目指す子の相談がすごく増えてきたタイミングでもありました。SNSで回ってきた、“お金を払ったら番組に出演できる可能性がある”という詐欺のような話を信じていたり……危なっかしい子があまりにも多くて。


SNS時代、「“普通でいること”が許されない」難しさ


——芸能ビジネスをやっていて、今の時代だからこその難しさはありますか。


小阪 SNS時代になって、数字がすべて露骨に出るのはキツイなと思いますね。


 芸能は基本的に承認欲求が強い人がやる仕事。ただ、自己肯定感を得たいんだけど、その自己肯定感が下がりやすい職業でもあるのが厄介で……そういう人にとって、SNSは自分という人間の商品価値を上げる方にも、下げる方にも増幅させてしまうことがある。


 数字が低いからその人自身の価値が低いなんていうことは100%ないのに、全部「数字」として可視化されてしまうのは、ちょっとしんどい。とはいえ数字と人気は裏表なので、切り離すのは難しいという葛藤があります。


 あと、SNSは常に何かを発信しないといけないプレッシャーがあるし、目立ったもの勝ちだから、“普通でいること”が許されないような雰囲気も若干ある気がしていて。そういう時代では、メンタルが昔より崩れやすい部分もあるかなと。


——メンタルが崩れやすくなるのは、なぜでしょうか。


小阪 SNSを通して、いろんな評価の声が全部わかっちゃう。しかもみんな、評価したがりでしょ。


 評価されてるじゃなくて、評価させてあげてる、ぐらいのスタンスじゃないと、他人に踊らされる人生になってしまう。そうすると苦しくなるな、と思いますね。


SNSばかり見ていると「洗脳される」


——今後のビジネスの目標はありますか。


小阪 芸能事務所としては新しいタレントを発掘していきたいと思っています。


 あと、SNS時代だからこそ、私が通ってきたことの答え合わせが役立つんじゃないかと思っているんです。SNSばかり見ていると、ある意味私がされた“洗脳される”状態に近しくなって、自尊心が迷子になる。


 もともと私に自尊心がなかったから気づけたことがたくさんあって、“こういう時にこうなっちゃうから、ちょっと気を付けた方がいいよ”、みたいなことを伝えていけたらいいなと思っています。お節介ババアにはなりたくないけど(笑)。


——過去、不本意にコントロールされていたことを思い出すのって、しんどくないですか。


小阪 それは、超しんどいです。ただ、昔は思い出すとぜいぜいはぁはぁって過呼吸になったり、動悸が起こったりしましたけど、今はもうその峠は越えました。


 もう40歳なので、「しんどい」を超えた先も見据えたうえで、上の世代としての責務もあるなという段階です。自分の自尊心と人生にちゃんと向き合い続けようと思っているんです。


◆◆◆


【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】


▼いのちの電話  0570-783-556 (午前10時〜午後10時)、 0120-783-556 (午後4時〜同9時、毎月10日は午前8時〜翌日午前8時)


▼こころの健康相談統一ダイヤル  0570-064-556 (対応の曜日・時間は都道府県により異なる)


▼よりそいホットライン  0120-279-338 (24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは 0120-279-226 (24時間対応)


(吉河 未布)

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