エリザベス・モス、『透明人間』は「女性たちに声を上げる強さを与えてくれる」
2020年7月18日(土)16時30分 シネマカフェ
外部からは“見えない”恋人のDVから逃げ出し、幼なじみのジェームズとその娘シドニーの住まいに匿ってもらいながら過ごしていたエリザベス・モス演じるセシリア。その後、元彼は自殺、セシリアは徐々にトラウマから解放されていくのかと思いきや、今度は“見えない何かの存在”に追われるようになってしまう…。
今回解禁された本編映像は、そんな状態で精神的に参ってしまったセシリアに、シドニーが「いま必要なのは、パパを追い出して、女同士で楽しくケーキ食べよ」と優しく女子会のお誘いをする様子からスタート。セシリアにもようやく救いの手が差し伸べられたとほっこりしたのも束の間、シドニーが少しかがんだ絶妙なタイミングで、“見えない何か”がシドニーを突き飛ばす…。
怯えて泣き叫ぶシドニーと、別の部屋から駆け付けたジェームズに、セシリアは「私じゃない!あいつが!」と自分の身の潔白と透明人間の存在を訴えるも信じてもらえず、絶体絶命の状況へと陥ってしまう。
悪意を持った透明人間の決定的瞬間を捉えた本映像。味方を失い、孤独になってしまったセシリアが一体どうやって見えない敵に立ち向かっていくのか…この先のストーリーが気になるシーンとなっている。
本作では、元彼からの精神的・肉体的DVによるトラウマと透明人間の存在によって確実に精神を追い詰められながらも少しずつ立ち上がっていくセシリアの姿が、モスの身体を張った演技で力強く描かれていく。
アップデート版の『透明人間』を製作するにあたり、あえて透明人間の被害者である女性を主人公として描くことを思いついたリー・ワネル監督は、「本作のストーリーを決める時、ほぼ完全なストーリーが浮かんだし、これしかないと感じた。脚本を改めて読み返した時、セシリアのように、被害に遭いながら誰にも信じてもらえない女性の話が多く存在することにも改めて気付いたんだ」と、現代の女性が共感できる要素が込められていることを明かしている。
また、モスも「セシリアと同じような経験をしている女性たちに声を上げる強さを与えてくれることを望んでいる。今の社会では女性のエンパワーメントが掲げられているし、女性として私たちは声を上げている世代だけど、抑圧的な関係から抜け出せない女性に対して批判的な態度を取ってしまうこともある。女性に対して“時には弱くてもいい”と示すことが大事だと思う」とコメントを寄せており、本作では新たにアップデートされた女性像に挑んでいる。
『透明人間』は全国にて公開中。