真のサステナブル・デザイナーに「インスピレーションを受けて」『ファッション・リイマジン』監督が熱弁

2023年9月20日(水)14時0分 シネマカフェ

『ファッション・リイマジン』(C)2022 Fashion Reimagined Ltd

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イギリス発、異端のデザイナーがサステナブルなファッションで「世界を変える」までの情熱に満ちた旅を描いた映画『ファッション・リイマジン』が、9月22日(金)より公開。

この度、デザイナーのエイミー・パウニーたちとともに3年もの間、ウルグアイやペルー、オーストリアといった国へ一緒に飛び、カメラを回し、コレクション完成までの道のりをともにしたベッキー・ハトナー監督だからこそ語れる、作品完成までの舞台裏とエイミーの人間力を語ったインタビューが到着した。

ハトナー監督からみたデザイナー、エイミーの魅力
2017年当時、映像プロダクションでブランドのキャンペーンやイベントの映像制作を手掛けていたハトナー監督。エイミーとの出会いは、「VOGUE」のデザイナー・ファッション・ファンドの撮影の際、その年の受賞者であるエイミーと出会ったことがきっかけだという。

授賞式の後エイミーと食事をした際、「獲得した賞金で、本当にサステナブルなコレクションを作りたい」という目標を聞き、彼女の挑戦を追ったドキュメンタリー映画を撮ることを決意。「もちろん、ゼロから立ち上げるプロジェクトを追ったドキュメンタリーの制作はリスクも大きかった。それにも関わらず、映画制作を決めた理由は、20代後半で『Mother of Pearl』のクリエイティブディレクターとして活躍していたエイミーの努力と根性は、必ずこの大きなプロジェクトを成功させるだろうと信じるに値し、エイミーの何かに向かって突き進む精神力にインスピレーションを受けたから」だとふり返る。

エイミーの最大の魅力は「人に何か質問することを全く恐れないこと」とハトナー監督は言う。「多くの人が“こんなこと聞いたら、バカに思われるんじゃないか?”と、恐れるような質問も、彼女はユーモアと温かさを持って質問します」。そして「とにかく彼女の質問力は、驚異的なんです」とハトナー監督。

「劇中では、一見デリケートな問題である製品の透明性や廃棄物処理についての質問も深く掘り下げられていますが、彼女はどんな相手でも物怖じせずに敬意を持って質問する姿勢を崩さなかった」と続け、さらに「だからこそ相手もそれに応えてくれたのではないか」と称賛する。

一番苦労した撮影シーンは…
エイミーたちと世界を巡ったハトナー監督だったが、最も苦労した撮影は「パンデミック中のトルコでのシーン」だったという。当時、監督自身が妊娠中だったということもあり、屋外はもちろん、暑い工場の中でも感染対策のマスクが必要な撮影は非常に困難を極め、さらに、あるシーンを再現撮影する必要があったが、そのためには当時とあまりにも状況が違いすぎる、ということが発覚。加えて、扱う予定だった綿花のトレーサビリティが100%透明でないことも明らかになり…。

「でも、結局いろんな困難に直面してその過程を追えたことで、彼女たちの誠実さがより感じられたと思いましたし、結果的に、本作を見てくださる観客にも彼女たちの人間性をさらに伝えることができたと思う」としながら、「でも、正直、トルコの部分に関しては眠れない夜が私はかなり続きましたよ。とにかく、悩ましい時期でしたね」と苦笑する。

自分たちの服を学ぶきっかけになってくれたら
まずは「本作を楽しんでいただきたい」と言う監督。「“環境に対するインパクトがテーマの作品”っていうふうに聞くと『落ち込むような内容なのかな?』って皆さん思ってしまうかもしれないけれども…。そうではなくて、鑑賞することで、未来へのインスピレーションを感じられるような、希望を感じられるようなそういう映画にしたかったので、ぜひ見てください」とアピール。

そして「同時に自分たちの服、ファッションがどんなインパクトを持っているのかっていうことを少し学ぶようなきっかけになってくれたら嬉しいです」とその想いを語る。

今後も、環境はもちろん、様々な社会的なテーマを持つストーリーを制作していきたいと言うハトナー監督。「『ファッション・リイマジン』は、持続可能な未来への一歩を示す、希望を持った映画であり、革新的なデザイナー・エイミーの魅力と情熱が詰まった作品です。ぜひ劇場でご覧いただき、インスピレーションを受けていただきたいと思います」とメッセージを寄せた。

『ファッション・リイマジン』は9月22日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。

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