うらじぬの×ファーストサマーウイカ、西加奈子原作『炎上する君』で親友役に
2022年10月25日(火)11時0分 シネマカフェ
本作は、株式会社レプロエンタテインメントが主催する映画製作プロジェクト「感動シネマアワード」でグランプリに輝いた企画として制作された作品。
「『うらじぬのを撮りたい!』きっと世界中で、私が一番うらじさんを撮りたい映画監督だ。そして、うらじさんがもっとも魅力的に映る物語は、西加奈子さん原作の『炎上する君』しかないと思った」と語るのは、小説、演劇、ドラマと幅広く才能を発揮するふくだももこ監督。
2010年に上梓された原作では、唯一無二の親友である梨田と浜中が、女を外見で判断する男を敵視し、知性によって安定した生活とキャリアを生きるところから始まり、2人は徐々に冒険と解放を求めるように。そんな折に足元が燃えている「炎上する男」という不思議な存在のうわさを聞きつけて…という内容を、ふくだ監督が大胆に脚色。2022年現在にも通じる原作小説の先進性と普遍性を炙り出すシスターフッドムービーが完成した。
うらじさんが演じるのはおかっぱ頭で、日々生えてくる脇毛に憤る梨田。梨田の唯一無二の親友・浜中には、ドラマ「ファーストペンギン!」など俳優としてもめざましい活躍を見せるファーストサマーウイカ。パブリックイメージとは異なる、銭湯に入る時もメガネを外さない、おさげの浜中を演じている。
物語のキーパーソンとなる「炎上する男」はオーディションで選ばれた齊藤広大。梨田と浜中の行きつけの銭湯で働く少女・トモにはミスiD 2019グランプリの中井友望、その銭湯の常連客には南久松真奈、トモのバンドメンバーには大下ヒロト、中山求一郎、當山美智子、梨田と浜中がある行動をするきっかけとなる芸人に影山徹など、映画、演劇、ドラマで活躍する演技巧者が集まっている。
梨田と浜中が脇毛を見せながら踊り狂う劇中歌にはゆっきゅんの「DIVA ME」。さらに、物語の余韻に寄り沿うエンディングテーマには、同じくゆっきゅんの「NG」が起用された。
政治家の女性蔑視発言のような明確な抑圧だけでなく、居酒屋での会話、お笑い芸人のネタ、ポケットティッシュに印字された広告など、見て見ぬ振りをしながらやり過ごしてきた、しかし確実に誰かの心を抉る日々の現実。傷つき、憤り、絶望する梨田と浜中が、世にも奇っ怪な「炎上する男」を探す。
キャスト&監督らのコメント到着
うらじぬの/梨田 役
西加奈子さんとふくだももこ監督のほとばしるエネルギーを一身に受けて作品に臨んだ今春は、いつにも増して灼熱でした。とっても良い汗をかきました。いつも隣にいてくれたファーストサマーウイカさんも、かっこいい汗をかかれていました。
この企画が立ち上がってから本当にたくさんの方々の支えがあって、生き生きと燃え盛る躍動の物語が出来たと思います。ありがとうございます、と、皆様どうぞよろしくお願い致します!
ファーストサマーウイカ/浜中 役
他人と違っていたいのに、他人と違うのが怖い。
自分のNOは誰かにはYESで、
唯一無二でいたいのに、無意識に共感のいいねを求めている。
自己評価と世間体のはざまで
炎のようにゆらぎゆらめく若者の心と身体。
原作とは違った時代と世界線で描かれる梨田と浜中の葛藤が、誰かの光になりますように。
ゆっきゅん/劇中歌・エンディング曲
私の楽曲が初めて映画の中で流れるのが『炎上する君』であることを光栄に思います!
「DIVA ME」の使い方がDIVAすぎて痺れました。
ふくだももこ監督、うらじぬの様、ファーストサマーウイカ様、
みんなまとめてあんたがDIVA。
「NG」も新しい聴こえ方がして、
物語の中で音楽が使われるってこういうことなんだ!と新鮮でした。
ぜひ多くの方に観ていただけますように!
ふくだももこ/監督・脚本
西加奈子さんの小説「炎上する君」を初めて読んでから、10年が経った。
あの頃、まさか自分が西加奈子原作の映画を撮れるなんて、夢にも思っていなかった。
そして「今だ!」と背中を押してくれたのは、主演の“うらじぬの”さんの存在だ。
うらじさんの演じる梨田を一番近くで見たい!という欲望が私を突き動かした。
だけど3年前に企画がはじまってから、一度目はコロナで、二度目は私の産後うつで、映画が止まってしまった。
それでも、うらじさんは信じてくれていた。
そして、最高の相棒“ファーストサマーウイカ”さんが現れた。
ふたりの演じる梨田と浜中が、何度も何度も私を救ってくれた。
今、心から『炎上する君』を撮れたことが本当にうれしい。
この映画に関わってくれた人たちみんなを抱きしめたい。
私は私のために、この映画をつくりました。
みなさんの心には、どんなふうに映るでしょうか。
『炎上する君』は2023年、公開予定。