「コンクラーベ」、フランシスコ体制支えたイタリア人枢機卿ら有力…アジアやアフリカからの可能性も

2025年4月24日(木)0時5分 読売新聞

ズッピ氏(左)とパロリン氏=ローマ教皇庁ホームページから

 【ローマ=倉茂由美子】ローマ教皇フランシスコの死去を受け、次期教皇を選ぶため5月上旬に行われる見通しの教皇選出会議(コンクラーベ)に注目が集まっている。約14億人のカトリック信徒を束ねる次期教皇が誰になるかによって、教皇フランシスコが進めてきた教会改革や外交の行方が左右されるからだ。

 投票権を持つ80歳未満の枢機卿は135人で、うち108人を教皇フランシスコが任命した。出席者の3分の2の票を得る人が出るまで投票を繰り返す。

 多様性を重視するリベラルな立場で知られた教皇フランシスコは、同性婚などを巡り寛容な姿勢を示してきた。伝統を重んじる保守派には不満もうっせきする。権力闘争さながらの駆け引きが今後、本格化する。

 そんな中で有力候補とされるのが、現体制を支えてきたいずれもイタリア人枢機卿のピエトロ・パロリン氏(70)と、マテオ・ズッピ氏(69)だ。

 パロリン氏はバチカン(ローマ教皇庁)ナンバー2の国務長官を務め、外交経験が豊富だ。断交中の中国との間で結んだ司教任命権を巡る暫定合意の立役者とされ、保守、リベラルの中間的な立ち位置とされる。

 ズッピ氏は枢機卿最大勢力イタリアで、司教を束ねる「イタリア司教協議会」会長を務める。教皇特使としてロシアのウクライナ侵略の解決に向けて奔走した。

 欧州でのカトリック離れを背景に、教皇フランシスコが活動に力を入れてきたアジアやアフリカから選出される可能性もある。

 アジア初の教皇候補として取りざたされているのが、アジア最大のカトリック人口を抱えるフィリピン出身の枢機卿、ルイス・アントニオ・タグレ氏(67)。教皇フランシスコに近く「アジアのフランシスコ」とも呼ばれる。アフリカではガーナ出身の枢機卿、ピーター・タークソン氏(76)の名前が挙がる。

 保守派では、世俗化が進んだ先進国でのカトリック再興運動に取り組むハンガリー出身の枢機卿、ペテル・エルドー氏(72)が浮上している。

 投票権を持つ枢機卿135人のうち欧州出身者は53人でアジア23人、アフリカ18人、南米17人、北米16人などとなっている。英BBCによると、欧州出身者が半数を下回るのは初めて。

 枢機卿の多様化も進み、コンクラーベの結果の予測はさらに困難になったとの見方もある。教皇フランシスコも当初ほとんど注目されておらず、今回もサプライズが起きる可能性はある。

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