カナダ総選挙、カーニー首相が続投へ…与党・自由党が第1党を維持
2025年4月29日(火)17時49分 読売新聞
29日、カナダの首都オタワの選挙本部で、勝利演説後に手を振るカーニー首相=AP
【オタワ=山本貴徳】カナダ議会下院の解散に伴う総選挙(定数343)は28日、投開票が行われた。カナダの公共放送CBCによると、マーク・カーニー首相(60)が率いる中道左派の与党・自由党が第1党を維持し、3月に就任したカーニー氏の続投が決まった。
カーニー氏は29日未明に首都オタワで演説し、「謙虚さ、大志、団結というカナダの価値観を守るため、首相として日々最善を尽くす」と勝利を宣言した。
CBCによるカナダ東部時間29日午前4時(日本時間29日午後5時)現在の集計によると、自由党は、解散時の152議席より16議席多い168議席を獲得した。単独過半数の172議席には届かず、選挙前と同様に少数与党となる見通しだ。
自由党の善戦は、米国のトランプ大統領がカナダを「米国の51番目の州」と呼び、カナダ製品に25%の関税を課したのに対し、政権与党として報復関税などで対抗する姿勢が一定の支持を集めたとみられる。東部のオンタリオ州やケベック州など、都市部の大票田で議席を積み重ねた。
中道右派の最大野党・保守党も、解散時の120議席から24議席多い144議席を獲得した。
カーニー氏とトランプ氏は3月、カナダの総選挙後に経済と安全保障の包括的な交渉を始めることで合意している。「危機に強い」との評判を追い風に政権を維持したカーニー氏は、早くも交渉力が問われることになる。