アメリカの「高関税」で輸出にブレーキの中国、「国内消費」奨励…ネット通販やスーパーに特設コーナー

2025年5月1日(木)20時9分 読売新聞

北京市内のスーパーで「高品質の国産品」「輸出向けの良品を国内消費」などと掲示された輸出向け商品の特設コーナー(4月18日)=大原一郎撮影

 【上海=田村美穂】米トランプ政権による一連の関税措置を受け、高関税を課された中国で輸出が難しい商品を国内で消費する動きが広まっている。習近平シージンピン政権の方針を受けた措置で、ネット通販やスーパー大手では特設コーナーが登場したほか、取引がなかった輸出企業の商品の取り扱いが始まった。

 北京市内の大手スーパーチェーンでは4月中旬、輸出向けを想定した商品を集めた特設コーナーが登場した。「輸出向けの良品を国内消費」「国産品に注目」との表示とともに、電子レンジなどの電化製品や洗剤や食器といった日用品が並ぶ。上海の店舗では約100種類の輸出向け商品を扱い始めたといい、男性責任者は「商品の販売で輸出企業を支えたい」と話した。

 中国商務省は4月11日、輸出向け商品の国内消費を支援すると発表した。これを受け、輸出企業の支援策を発表する企業の取り組みが広がった。食品スーパー「盒馬生鮮」がアプリ上に特設ページを設け、取引を持たなかった企業の商品を積極的に取り扱うと決めたのは一例だ。

 通販大手にも支援の動きは広がる。「京東集団」は同日、「今後1年で2000億元(約4兆円)以上の輸出向け商品を扱い、輸出企業の国内での市場開拓を支援する」と宣言。アプリ上に登場した「輸出商品を国内で消費」と書かれた特設ページでは、高品質と安さが宣伝されている。

 中国紙・証券時報によると、アリババ集団は自社サイトへの出店手続きを簡略化した。IT大手・テンセントも自社サイトへの出店手数料を減らし、サイト運営の技術を無償提供する。動画共有アプリ「抖音ドウイン」の運営会社は人気インフルエンサーを活用した商品販売の促進を支える。

 一部の地方政府などでも企業への支援が始まった。中国メディア・中国新聞網によると、四川や江蘇などの省で地元企業に対し、輸出の代わりとなる販売先の構築を始めたという。

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