2月の決裂で仕切り直しとなった「資源協定」、米とウクライナが署名…「和平プロセスにトランプ政権が関与」

2025年5月1日(木)21時22分 読売新聞

アメリカとウクライナの国旗=ロイター

 【ワシントン=池田慶太】米国、ウクライナ両政府は4月30日、ウクライナのエネルギーや資源の権益に関する経済協定に署名したと発表した。資源開発から得られる収益を共同管理する基金を設け、ウクライナの経済復興に充てる。

 米国のスコット・ベッセント財務長官とウクライナのユリヤ・スビリデンコ第1副首相兼経済相がワシントンで会談し、「復興投資基金」の設立を柱とする協定に署名した。ウクライナ政府の発表によると、基金は、ウクライナ国内のレアアース(希土類)や石油、ガスの採掘事業、加工、それに関連するインフラ(社会基盤)に投資し、ウクライナの復興を後押しする。

 両国は50%ずつ資金を拠出し、基金を管理する。ウクライナは、新規の資源開発のライセンス収入の50%を基金に移管する。米国は、基金に直接拠出するか、防空システムの供与といった新たな軍事支援を基金への拠出として計上する。基金の運営では両国いずれも過半数の議決権を持たない。

 米国は過去のウクライナ支援額の「返済」として資源権益を要求していたが、協定にウクライナの対米債務に関する条項は含まれなかった。ウクライナはロシアの再侵略を防ぐ「安全の保証」の明記を求めたが、見送られた模様だ。

 協定は2月にトランプ米大統領とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が合意を予定したが、ホワイトハウスでの会談が決裂し、仕切り直しとなった。両国の関係強化はロシアとの交渉でウクライナに有利に働く可能性がある。ベッセント氏は声明で「合意は、ウクライナを中心とする和平プロセスにトランプ政権が関与していることをロシアに示す」と述べた。

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