中露首脳が会談「ネオナチと軍国主義に対抗」、ウクライナと日本念頭か…歴史認識でも共闘姿勢
2025年5月8日(木)23時56分 読売新聞
モスクワで会談に臨むロシアのプーチン大統領(右)と中国の習近平国家主席(8日)=ロイター
【モスクワ=東慶一郎】中国の
会談後に発表された共同声明には、ウクライナ侵略についてロシアの主張に沿った「根本原因の除去」との文言が記された。台湾問題に関し、中国が主張する「一つの中国」原則の支持も盛り込まれた。
旧ソ連と中国が80年前にナチス・ドイツと日本という「ファシズム」と「軍国主義」に勝利し、「数え切れない犠牲を払い、偉大な歴史的偉業を成し遂げた」と主張した。日本に対しては「靖国神社や歴史上の出来事に関する言動に慎重を期し、軍国主義から完全に距離を置くべきだ」と要求した。ロシアが中国の主張に同調したとみられる。
プーチン氏は会談後の記者発表で、自動車や家電などの中国製品がロシア市場で存在感を増し、「中露関係は史上最高レベルに達した」と強調した。「中国の友人」と共に、「現代のネオナチズムと軍国主義に対抗する」とも語った。プーチン政権はウクライナ侵略を「ネオナチ」との戦いだと主張している。
一方、習氏は会談冒頭、トランプ政権を念頭に「一国主義や強権的ないじめ行為に直面する中、中露は共に経済のグローバル化を推進する」と語った。
プーチン氏は会談で、中国で開かれる「抗日戦争勝利記念日」(9月3日)の式典や上海協力機構(SCO)首脳会議への出席を約束した。習氏の訪露は2024年10月以来。9日にはモスクワ中心部の赤の広場で開かれる軍事パレードに出席する。