イスラエル軍、パレスチナ自治区で外交団に警告射撃…外交団に参加した各国から非難相次ぐ

2025年5月22日(木)11時56分 読売新聞

イスラエルの国旗

 【エルサレム=福島利之、ブリュッセル=酒井圭吾】イスラエル軍は21日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸北部のジェニン難民キャンプを視察するため現地を訪れていた外交団に対し、警告射撃を行ったと発表した。けが人はなかった。視察はパレスチナ自治政府が企画し、英仏や日本などの外交官が参加していた。

 武装勢力を掃討するとして難民キャンプに駐留しているイスラエル軍は21日の声明で「外交団は承認されたルートから外れ、認められていない地域に入った」と発砲の理由を説明した。

 イスラエル紙ハアレツによると、現場は難民キャンプの外で、警告射撃は7発に及んだ。現地からの映像では、検問ゲートに近づいた外交団に対し、兵士2人が小銃で発砲した。外交団は建物の物陰に隠れるなどして逃れた。

 ウィーン条約では、外交官の保護が定められている。自治政府は「極悪な犯罪だ」と訴える声明を出し、外交団に参加していた欧州や日本からも非難が相次いだ。

 欧州連合(EU)のカーヤ・カラス外交安全保障上級代表(EU外相)は21日、記者団に「外交官の生命への脅迫は容認できない。責任者は責任を負わなければならない」と述べた。ドイツ外務省は21日、「現地の独立した監視者として外交官の役割は欠かせない」とする声明を出し、イスラエル外相に抗議する方針を表明した。フランスやイタリアも「容認できない」などと批判し、イスラエルの駐在大使に説明を求める考えを示した。

 岩屋外相は22日の参院外交防衛委員会で、イスラエル軍の警告射撃について「誠に遺憾で、あってはならない」と強調した。イスラエル政府に抗議し、説明と再発防止を申し入れたことも明らかにした。

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