イスラエル支持が「国是」のドイツ首相が異例の批判…ガザ攻撃「もはや理解できない」
2025年5月27日(火)18時5分 読売新聞
メルツ首相(6日)=AP
ドイツのメルツ首相は26日、パレスチナ自治区ガザへの攻撃を激化させるイスラエルについて、「率直に言ってイスラエル軍がガザで今行っていることは何が目的なのか、もはや理解できない」と批判した。ドイツではナチスによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)への反省からイスラエル支持が「国是」で、首相のイスラエル批判は極めて異例だ。
首都ベルリンで同日開かれた国際会議でメルツ氏は、子供を含む民間人の犠牲の多さに触れ、「(イスラム主義組織)ハマスのテロとの戦いという理由では、もはや正当化できない」と指摘。「国際人道法が侵害されるのであれば、ドイツや独首相は何かを言わねばならない」と強調した。会場では拍手が起きた。
公共放送ZDFが23日に公表した世論調査によると、ドイツでイスラエルの軍事行動を不当だと考える人は80%に上り、昨年3月の69%から増加した。(ベルリン支局 工藤彩香)