炊飯器の内釜に、以前よりもお米がこびりつきやすくなった……原因は何?【専門家が解説】
2025年2月21日(金)21時25分 All About
以前に比べて炊飯器の内釜にお米がこびりつきやすくなった場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。「All About」ガイドで、家電のスペシャリストとして多数のメディアに出演する安蔵靖志が解説します。
「All About」ガイドで、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演する安蔵靖志が解説します。
(今回の質問)
前と比べて、炊飯器の内釜にお米がこびりつきやすくなった気がします。何が原因でしょうか?
(回答)
内釜の内面のフッ素コーティングがはがれている可能性があります。内釜の内面フッ素皮膜の保証期間内であれば、交換を依頼しましょう。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
フッ素コーティングがはがれた可能性が考えられます
炊飯器の内釜にお米がこびりつきやすくなった場合、いくつかの原因が考えられます。最初に検討したいのが、以下の2つです。フッ素コーティングがはがれている
フッ素コーティングがはがれると、お米がこびりつきやすくなります。フッ素コーティングは内釜の表面を滑らかにし、お米がくっつくのを防ぐ役割を果たしています。しかし、長年使用したり、誤った方法でお手入れを続けると、コーティングがはがれてしまうことがあります。傷やへこみができてしまった
内釜に傷やへこみがあると、その部分にお米が引っかかりやすくなります。また、傷やへこみが原因で、内釜の密着性が失われ、うまく炊けなくなることもあります。フッ素コーティングがはがれてしまっている場合には、フッ素コーティングの保証期間をチェックしましょう。
炊飯器本体の保証期間はほとんどのメーカーが1年間に設定されていますが、内釜の内面フッ素コーティングの保証期間はタイガー魔法瓶が1年、三菱電機は3年、東芝やパナソニックは3年か5年、日立グローバルライフソリューションズは6年など、メーカーによってまちまちです。保証期間内であれば交換してもらえますので、保証書やWebサイトでチェックしてみてください。一方で、保証期間が過ぎていたり、剥がれや傷がひどい場合には、買い替えを検討するとよいでしょう。
フッ素コーティングがはがれたり、傷付いたりしていない場合は?
コーティングのはがれや傷がないのにこびりつきやすい場合は、次のような可能性があります。対処法も含めて紹介しましょう。ご飯が軟らかくて粘り気がある
お米の種類や水加減によっては、粘り気が強く、内釜にこびりつきやすくなる場合があります。炊き分け機能がある場合は、硬めにして炊くとこびりつきにくくなります。もしない場合は、水を少なめにして炊飯するとよいでしょう。炊飯直後にご飯をほぐしていない
炊飯直後にご飯をほぐしていない場合、ご飯がべたついてしまってこびりつきの原因になります。炊飯直後にご飯をほぐすと余分な水分が飛ぶだけでなく、空気を含んでふっくらと仕上がるため、必ずほぐすようにしましょう。ふたを閉めたまま保温を切ってしまっている
炊飯器のふたを閉めたままで保温を切ると、内部の湿気が徐々に冷やされて結露し、べたつきやこびりつきの原因になります。ご飯が残っているときに保温を切ると、さらにべたつきやすくなります。カビなどの原因にもなるので、保温を切ったらしばらくふたを開けておくか、すぐに内ぶたと内釜を洗うようにしましょう。こまめな手入れも重要です。内釜や内ぶたは使用後すぐに洗い、清潔に保ちましょう。炊飯器本体に故障がないか、定期的に点検することも大切です。
この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。
(文:安蔵 靖志)