JSRと東大が平面レンズ大量生産へ新手法 半導体プロセス活用、スマホにも
2025年2月21日(金)15時0分 マイナビニュース
JSRと東京大学大学院の小西邦昭准教授らは、半導体のリソグラフィ(回路転写)プロセスとフォトレジストを用いて極薄の平面レンズを低コストかつ効率的に量産する技術を開発した。ガラス基板上に平面レンズを形成し、これがスマホのカメラ向けなどに十分な特性をもつことを確認している。
用途を広げるため、今後はフィルム基板への対応も考えている。実用化に向けてレンズやカメラメーカーなどと共同で最適化を進める。「1〜2年内になんらかのアプリケーションになることを期待している」と、リッターポン・イッティ JSR・東京大学協創拠点CURIE 東京大学理学系研究科 客員共同研究員は話している。
注目集める平面レンズ、半導体露光プロセスのみで作製
両者が開発したのは、樹脂製の平面レンズを効率的に量産する手法。既存のレンズは高度の研磨技術と生産設備が必要でコストもかさむことから、極薄で多用途かつ低コストの平面レンズが注目されている。そのひとつがナノメートルサイズの微細なパターンから形成されるメタサーフェスレンズだが、大がかりな成膜装置やエッチング装置が必要なうえ、製造プロセスも複雑なのが難点だった。
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