NTT Comなど、複数のロボットを使用した配送実証の結果を公表

2024年3月26日(火)17時24分 マイナビニュース

NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)、日本電信電話(以下、NTT)、NTTアーバンソリューションズの3社は3月26日、品川シーズンテラスにおいて2月5日〜3月15日に実施したビル内ロボット配送実験の結果について公表した。
この実証では、NTTグループが保有するロボット最適制御技術やマルチ無線プロアクティブ制御技術の適用により、到着時間の正確性向上や配送時間の短縮、早期異常検知など、効率的かつ安全なマルチロボット運用が実現できたとのことだ。
○実証実験の概要
実証では、ZMPの「DeliRo」2台とアスラテック「RICE」2台を使用。オフィス入居者がオーダーアプリを用いて注文した商品について、ビル内のコンビニ店舗からの配達作業を自律走行型サービスロボットが代行し、注文者へ商品を配達した。複数のロボットが同時に走行する際の衝突や、走行中の通信断による稼働停止など、安全にロボットを活用するための課題について検討したようだ。
○ロボット最適制御技術を用いた効率的なロボット配送
3社はこれまで、ビル内の混雑状況に基づいた走行経路の設定や所要時間の見積もりの有効性について、実証実験などを通して確認してきた。今回はロボット最適制御技術を用いて、異種かつ複数のロボットが競合を回避しつつビル内の最短経路を選ぶようにしたことで、固定ルートを設定する従来の手法と比較して配送時間を約30%削減できたとのことだ。
また、走行時間に加えて店舗での作業時間も予測可能としたことで、注文者に事前提示する到着時間の誤差を、過去実績の平均値を用いる場合よりも約15%削減している。
○Cradioを用いた安全なロボット走行
今回Cradioを使用したことで、無線基地局の運用状況と連携するとともに高精細な建物情報や無線装置の特性を考慮した精緻な電波品質MAPの作成も可能となる。今回作成した電波品質MAPと実測値の誤差はRMSEで約5dBであり、ロボットの走行経路選定に十分な精度であることが確認できたという。
作成した電波品質MAPの情報をロボット最適制御技術と連携することで、-75dBm以下の弱電界エリアの走行距離を0mにでき、ロボットが制御不可になるリスクを低減できた。Cradioによる無線通信品質の予測技術をロボットの走行制御と連携させることで、無線通信品質の劣化前にロボットの速度制御や停止制御を実現したため、安全なロボット走行への有用性も確認できたようだ。
○SDPF for City / マルチロボット最適化ソリューションを用いたロボット運用
さらに、これらの実証結果をSDPF for City / マルチロボット最適化ソリューションに適用することで、異なるロボットプラットフォームを統合的に管理し、複数かつ異種のロボットを一元的に運用可能となった。
これにより、複数ロボットの現在地や稼働状況の可視化、遠隔からの管理や操作を一元的な管理画面上で可能となり、より効率的な運用管理が実現できるようになったとのことだ。

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