海外モバイルトピックス 第429回 望遠レンズも装着できる最強カメラスマートフォンがvivoから登場
2025年4月22日(火)18時9分 マイナビニュース
スマートフォンメーカーのvivoは2025年4月21日に新製品発表会を行い、カメラ機能を高めた「vivo X200 Ultra」を発表しました。vivoは日本に参入していないため製品の評価は知られていませんが、業界関係者の間では「スマホNo.1カメラメーカー」との声が多く聞かれます。その最新モデルは望遠レンズを取り付け可能という、また一歩カメラに近づいた製品になりました。
主な性能はチップセットがクアルコムのSnapdragon 8 Elite、ディスプレイは6.82インチで最大輝度4,500nitsと明るく、屋外でのコンテンツ利用にも適しています。バッテリーは6,000mAhで90Wの急速充電に対応、ワイヤレスでも40Wと高速です。本体カラーはメカニカルな雰囲気のシルバーとブラック、レッドの3色。
カメラ性能を高めるために、自社開発した専用のチップセットも搭載しています。クアルコムのチップセットを搭載しているスマートフォンは、そのチップセット内で画像処理を行います。一方、vivoは画像処理専用のチップを自社で開発。今回は「vivo V3+」チップに加え、新たに「vivo VS1」チップも搭載し、高性能なカメラで撮影した画像処理をより高速に行えます。
カメラの性能は非常に高く、広角が5,000万画素、望遠は3.7倍で2億画素。さらに超広角が5,000万画素と3つのカメラを搭載します。カメラ性能に関しては歴代のモデルがその強さを証明しており、X200 Ultraでも夜間の写真に加え動画撮影も苦にしません。さらに遠距離からステージ上を動画で撮影するコンサートモードなど、他社のスマートフォンでは不得意とするシーンも美しく記録できます。
またカメラの焦点距離も従来モデルと変えています。広角は一般的に23mmや26mmとワイドな画角ですが、X200 Ultraは35mmを搭載。人間の視野に近く、普段目で見ている光景をそのまま同じ感覚で記録できます。また、ゆがみが少ないため人物撮影やストリート写真にも有利です。一方では従来のスマートフォンに慣れていると画角が狭いと感じられるのですが、vivoは一つ下のモデルとして「X200 Pro」も販売中で、そちらの広角カメラは23mm。X200 Ultraはスマートフォンよりもデジタルカメラを意識したカメラ構成になっているわけです。
また本体の側面にはシャッターボタンなどとして使える「Vキー」を搭載しました。iPhone 16のカメラコントロールに類似したボタンで、カメラの起動や連続撮影、またスライドさせることで焦点距離を変えたり露出調整などが行えます。
さらにX200 Ultraをカメラに変身させるアクセサリキットも別売されます。日本で販売中のシャオミの「Xiaomi 15 Ultra」に付属するフォトグラファーキットと同類のもので、フィルター装着可能なケース、バッテリー内蔵グリップ、さらに望遠倍率を高めるテレコンバージョンレンズも提供されます。
ケースとグリップはXiaomi 15 Ultraのものと同等の機能を持ちます。ケースには67mmのカメラ用のフィルターが装着可能。vivoからもNDフィルターなどが提供され、デジタル処理ではなく光学処理で光をコントロールできます。またグリップにはシャッターボタンなどがあり、カメラ風の使い勝手を提供。内蔵バッテリーは2,300mAhあるのでX200 Ultraの使用時間を伸ばせます。
そして発表会でも驚きの声が上がったのがテレコンバージョンレンズ。すでにスマートフォン用にクリップで取り付ける望遠レンズが販売されていますが、画質はあまりいいものではありません。一方、こちらのテレコンバージョンレンズはvivoがカメラで提携しているカールツァイスのレンズ技術を採用。2.35倍の焦点距離を可能にします。X200 Ultraはデジタル望遠もAI処理で美しく仕上げますが、テレコンバージョンレンズを使えば光学で200mmという、デジタルカメラの望遠レベルの焦点距離を使うことができるわけです。
X200 Ultraの価格は6,499元(約12万5,000円)からで、4月末に中国で発売となります。残念ながらグローバルでの発表は現時点では未定です。またカメラ風ケースやグリップ、テレコンバージョンレンズは5月出荷予定とのこと。業界最強のカメラはもちろん、200倍での撮影もぜひ体験してみたいものです。
山根康宏 やまね やすひろ 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど取材の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1,800台に達する。公式サイト:http://www.hkyamane.com/ この著者の記事一覧はこちら