KDDI、新宿駅ホームで安定した5G(ミリ波)の通信エリアを拡大する実証に成功

2025年4月24日(木)14時35分 マイナビニュース


KDDIと東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)は4月24日、ミリ波の通信エリアを自律的に最適化し構成する無線中継器(以下、ミリ波中継器)を用いて、4月11日までにJR新宿駅ホームで安定した5G(ミリ波)の通信エリアを拡大する実証試験に成功したことを発表した。多くの列車や人が行き交い遮蔽物で電波が届きにくい状況下でも、ミリ波の通信エリアを拡大し1ギガビット / 秒を超える通信速度で安定した通信が可能であることが確認された。
○実証実験の概要
5Gのミリ波は28ギガヘルツ帯の帯域幅を活用することで、高速・大容量通信が可能となる。しかしミリ波は電波の直進性が強く遮蔽物の影響を受けやすいという特徴があるため、鉄道の駅構内など構造が複雑な箇所においては、通信エリアの拡大が難しい。
KDDIはこの課題を解決するため、2024年12月に、ミリ波の基地局からの電波を中継して自律的かつ連続的なエリア形成を可能にした無線中継技術を開発。この技術を備えたミリ波中継器を活用して西新宿ビル街のミリ波の通信エリアを拡大する試験に成功している。
ミリ波中継器は小型かつ軽量で光回線の敷設を必要とせず、駅のホームなどスペースが限られた場所でも設置可能。今回の実証ではKDDIとJR東日本が協力して、新宿駅ホームにおいてミリ波中継器が有効に機能することを検証した。
実証は2月10日〜4月11日、JR新宿駅の1番線・2番線ホームと周辺施設の計4カ所に中継器を設置し実施。1番線・2番線ホームおよび列車内でミリ波を用いた5G通信が可能であることや、ミリ波を用いた5Gの高速大容量通信が安定して可能であるかを検証している。
○実証実験の結果
通信エリアを確認したところ、周辺の建物やホーム屋根が遮蔽となりミリ波の電波が届きにくく面的なエリア展開が難しい駅のホームにおいても、ミリ波中継器がエリアを形成し通信エリアを拡大した。また、窓ガラスによって電波が減衰しやすい列車内の運転席でもミリ波の電波を受信し、駅のホームと同様に1ギガビット / 秒を超える通信が可能であることが確認された。
駅のホームは周辺の建物などで見通しが遮蔽されるだけでなく、列車の往来や混雑状況によって通信環境が大きく変化する。そうした環境下でもミリ波中継器が常にルートを自律的に選択して電波を中継することで、1ギガビット / 秒を超える通信速度を安定して維持できることが確認された。

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