Googleが「サードパーティCookie」廃止に向けた取り組みを再変更/Windows 11と10向けの4月度非セキュリティプレビュー更新プログラム
2025年4月27日(日)7時5分 ITmedia PC USER
Googleが、サードパーティCookieに対して新しい方針を発表した
●Googleが「サードパーティCookie」廃止に向けた取り組みを再変更
Googleは4月22日(現地時間)、「プライバシーサンドボックス」の今後の方針を発表した。2024年7月に発表していたサードパーティCookieに代わる新たなプライバシーコントロールの導入も撤回された。
サードパーティCookieは、複数サイトにまたがりユーザーの閲覧履歴を追跡できることから、主に広告表示などのために利用されている。しかし、その追跡がプライバシーの侵害にあたるとして、2019年にサードパーティCookie廃止に向けたプライバシーサンドボックスの取り組みを発表。2022年までに廃止を目指していたが、プライバシーサンドボックスにより、Googleが広告を独占するなどの懸念が高まり、数回の延期を繰り返した。
そして、2024年7月にはサードパーティCookieの廃止を撤回し、Chromeブラウザに新たなプライバシーコントロールを追加すると発表していた。
しかしながら、パブリッシャー/デベロッパー/規制当局/広告業界を含むエコシステムとの対話を進める中で、サードパーティCookie の利用に影響を及ぼす変更に対しては、さまざまな意見があるということが明らかになった。
また、プライバシー強化技術(PETs)の採用加速や、AIを活用した閲覧行動保護の新たな可能性、世界中の規制動向の大きな変化などがあり、これらの要因を総合的に考慮した結果、サードパーティCookieに関するユーザーの選択管理方法として、現在のアプローチを維持することを決定したとしている。
ただし、GoogleはChromeのシークレットモードにおけるトラッキング保護を引き続き強化する。プライバシーサンドボックスAPIがエコシステムをサポートする上で、これまでとは異なる役割を担う可能性があるとし、今後数カ月をかけて業界と連携してフィードバックを収集、将来の投資分野を含む、これらの技術に関する更新されたロードマップを共有するとしている。
●Windows 11/10の2025年4月度非セキュリティプレビュー更新プログラム公開
Microsoftは4月22日(現地時間)、Windows 11/10向けの2025年4月度の非セキュリティプレビュー更新プログラムをリリースした。Windows 11のバージョン23H2および22H2向けが「KB5055629」、Windows 10のバージョン 22H2向けが「KB5055612」となる。執筆時点では、Windows 11 24H2向けはリリースされていない。
Windows 11のバージョン23H2および22H2のハイライトは下記の通りだ。
・エクスプローラーにピボットベースのキュレーションビューを追加。Microsoft 365コンテンツへの容易なアクセスをサポートする
・ナレーターが話した内容を記録し、すぐに参照可能に。音声要約機能を使用すると、話された内容に素早くアクセスしたり、リアルタイムの文字起こしを確認したり、ナレーターが最後に話した内容をコピーしたりできる
・スマートフォン連携(Phone Link)で、スタートメニューからデバイス間の機能に直接アクセスできるように。電話をかけたり、SMSを送信したり、写真にアクセスしたりできる。
・Web開発者は、既存のコンテンツ使ってインタラクティブなウィジェットを作成可能になった。
・共有シートで共有した画像に対して、切り抜き、回転、フィルターの追加などの最終編集を行えるようになった。
●Microsoftが「Microsoft 365 Copilot Wave 2」を公開
Microsoftは4月23日(現地時間)、「Microsoft 365 Copilot Wave 2」の春リリースを発表した。
このリリースには、人間とエージェントのコラボレーションの次の段階に進める以下のようなアップデートが含まれているという。
・AIを活用したCopilot Search:AIを活用した新しいエンタープライズ検索。SlackやGoogle Drive、Jiraなどのサードパーティーアプリと連携し、より包括的な検索結果を提供する
・Createエクスペリエンス:OpenAIのGPT-4oモデルを活用し、ビジネス向けに再構築する
・Copilot Notebook:コンテンツとデータを即座に分析してアクションにつなげることができる
・新しいエージェントストア:作業フローの中でエージェントを簡単に見つけてアクセス可能に
これらの機能は、5月下旬から提供が開始される。
●Intelがゲーム性能を向上させる「200S Boost」を配布
Intelは4月22日(現地時間)、Core Ultra 200SシリーズのKモデル向けに、パフォーマンスを最適化するオーバークロックプロファイル「Intel 200S Boost」を公開した。対応するIntel Z890マザーボードとIntel XMPメモリと組み合わせることで、ゲームなどの低レイテンシワークロードのパフォーマンスを大幅に向上させる。
サポートされているプロセッサは以下の5モデルだ。
・Intel Core Ultra 9 285K
・Intel Core Ultra 7 265K
・Intel Core Ultra 7 265KF
・Intel Core Ultra 5 245K
・Intel Core Ultra 5 245KF
Intel 200S Boostを適用することで、SoCタイルを最大3.2GHz、D2Dを最大3.2GHz、メモリクロックを最大毎秒8000MTに向上させる。4月22日から、ASRockやASUSTeK Computer、MSIなど一部のIntel Z890ベースのマザーボードで、200S Boostオーバークロックプロファイルを利用できるようになる。なお、通常、オーバークロックは保証対象外となることが多いが、Intel 200S Boostを適用しても、Intelの3年間の限定保証が適用される。
●「Google Chrome」にセキュリティアップデート
Googleは4月8日、デスクトップ向けChromeブラウザの安定チャネルをアップデートした。WindowsおよびMac向けに「135.0.7049.114」「135.0.7049.115」、Linux向けに「135.0.7049.114」が展開されている
このアップデートには、脆弱(ぜいじゃく)性への対処を含む1件のセキュリティ修正が含まれているが、CVE番号が公開されているのはない。この他、継続的な社内セキュリティ作業により、幅広い修正が行われているとのことだ。
Chromeが既にインストールされている場合は自動で更新されるが、Chromeのメニューから「ヘルプ」→「Google Chromeについて」を選択すれば手動でも更新できる。
●「Windows Server」の一部バージョンに例外パッチリリース
Microsoftは4月16日(現地時間)、通常スケジュール以外の例外パッチ(OOB:Out-of-Band)を一部のWindows Sever向けにリリースした。
今回リリースされたOOBパッチの対象は以下の2件だ。
・Windows Server 2022(KB5059092)
・Windows Server 2019(KB5059091)
このパッチにより、4月8日にリリースされた 2025.04 Bコンテナーイメージで発生していた問題が修正される。Hyper-V分離モードで実行されている Windowsコンテナーが、更新レベルがホスティングユーティリティー仮想マシン(UVM) と一致しない場合に起動できない場合があったとのことだ。
なお、4月11日には以下のOOBパッチも提供されている。
・Windows 11 バージョン 23H2 および 22H2(KB5058919)
・Windows Server 2022(KB5058920)
・Windows 10 Enterprise LTSC 2019 および Windows Server 2019(KB5058922)
・Windows 10 LTSB 2016 および Windows Server 2016(KB5058921)
・Azure Stack HCI バージョン 22H2(KB5058920)
こちらは、Active Directoryグループポリシーのローカルポリシーで、監査ログオン/ログオフイベントが有効になっていて正常に動作しているにもかかわらず、デバイス上では有効と表示されない問題が修正される。