富士フイルムからレトロで斬新なコンデジ「X half」登場 いにしえのハーフサイズカメラの“不便さ”まで再現

2025年5月22日(木)21時41分 ITmedia NEWS

「X half(エックスハーフ)」のシルバー。6月下旬発売。オープン価格

 「ハーフサイズカメラ」をご存じだろうか。35mm判フィルムの半分のサイズで撮影できるカメラのことで、オリンパス「Pen」や富士フイルム「FUJICA Half(フジカハーフ)」などのコンパクトカメラが有名。フィルムが高価だった時代に倍の枚数が撮れるのは経済的だったが、記念写真くらいしか撮らない家庭では、なかなか現像に出せないジレンマも抱えることになった。そんなハーフサイズカメラがデジタルで現代に蘇った。
 富士フイルムが5月21日に発表した「X half(エックスハーフ)」は、240gの軽量ボディでフィルムライクな写真表現を楽しめるコンパクトデジタルカメラ。しかも、フィルムカメラの不便なところまで再現した完全に“趣味枠”のカメラといえそうだ。
 かつてのハーフサイズカメラは、35mmフィルムの1コマ(36×24mm)の半分となる17〜18×24mmを使って撮影していた。そのままでは縦長の写真になるため、写真屋さんで1.4倍に引き延ばしてもらう必要があり、画質は少し下がるのがネックだった。
 スマホ時代に登場するX harfは、逆にその縦構図を生かす仕様とした。イマドキの裏面照射型1インチセンサーを使いつつ、静止画や動画を3対4で撮影する。光学ファインダーや液晶モニターも3対4だ。
 撮影と撮影の間に「フレーム切り替えレバー」を引くと、2枚の縦構図写真の“組写真”を作れる「2in1」機能も搭載。ストーリー性のある写真を撮影できるという。
 写真フィルムを交換する感覚でさまざまな色調表現を楽しめる「フィルムシミュレーション」には、独特の粒状感を得られる「グレイン・エフェクト」をはじめ、フィルムカメラの光漏れを幻想的に再現する「ライトリーク」、強い光源が入ることで画像の一部がぼやける現象を模した「ハレーション」など新フィルターを搭載。つまり昔なら「失敗」といわれた現象を意図的に作り出すことで、フィルムカメラっぽさを演出する仕掛けだ。
 ちなみに「期限切れフィルム」というフィルターまである。
 懐かしい「日付入り撮影」機能も搭載した。静止画と動画の両方で使用可能。画面右下に撮影した日付がオレンジ色で入る。
●意見が割れそうな「フィルムカメラモード」
 富士フイルムの開発担当者に拍手を送りたくなるか、逆にその場で正座させたくなるか、意見が割れそうな機能もある。銀塩カメラ時代の使い勝手を再現した「フィルムカメラモード」だ。
 このモードでは、一度シャッターを切った後に「フレーム切替レバー」を引かないと次のシャッターが切れない。昔の「フィルム送りレバー」を模した仕様になっている。
 さらに、あらかじめ設定した撮影枚数を撮り切らないと画像の確認すらできない。しかも規定枚数は36枚、54枚、72枚の三択。なかなか現像に出せないジレンマまで再現した。
 設定した枚数を撮影後、専用アプリ「X half」にデータを転送し「デジタル現像」を行って初めて撮影画像を確認できるようになる。デジタル現像をすると写真全コマを一覧できる「コンタクトシート」が一緒に保存される点もポイントだ。
 外観は、Xシリーズ共通のクラシックカメラの魅力を抽出・再構成したプロダクトデザイン。「絞りリングやフレーム切り替えレバーの操作感など、アナログ操作の心地よさを感じさせるデザインに仕上げた」としている。

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