スマホ料金「最激戦区の30GBプラン」を比較 ahamoショックにUQ mobileやY!mobileも追随でどこがお得に?
2024年11月26日(火)6時5分 ITmedia Mobile
最近の格安SIMで最も競争が激しいのが月30GBのプランです。以前は20GBが激戦区でしたが、2024年10月にahamoが料金据え置きでデータ容量を30GBに増量したのをきっかけに各社が追随し、現在は主戦場が30GBに移りました。今回は月30GBのプランの料金比較と、オススメを解説します(料金は全て税込み)。
●ahamoショックにKDDIとソフトバンクが追随
今回の変動のきっかけになったのはahamoです。もともとahamoは月20GBのデータ容量に5分かけ放題が付いて月額2970円でしたが、10月1日から、料金はそのままで容量が20GBから30GBに増量されました。大盛りオプションを適用すると月額4950円で110GB使えます。
これに、まずは日本通信が追随しました。日本通信はもともと月10GBのデータ容量に5分かけ放題、または70分の無料通話が付いて月額1390円だった「合理的みんなのプラン」を、料金そのままで容量を20GBに増量しました。同じく、月30GBの容量に5分かけ放題、または70分の無料通話が付いて月額2178円だった「合理的30GBプラン」が、料金そのままで「合理的50GBプラン」に変更されました。
ここまでは前回の記事でお伝えしましたが、さらにLINEMO、Y!mobileとUQ mobileも追随しました。
LINEMOは、5分かけ放題付きで月20GBまでは月額2970円、30GBまでは月額3960円の2段階制だったLINEMOベストプランVを、月30GBに5分かけ放題が付いて月額2970円に変更しました。LINEMOベストプランVは2024年7月30日に開始したばかりだったので、わずか3カ月ほどで変更を余儀なくされました。
Y!mobileは、シンプル2のプランM/Lにデータ増量オプションを付けた場合の追加容量を5GBから10GBに増やしました。データ増量オプションを付けた場合、プランMは月30GB、プランLは月40GBまで使えます。データ増量オプションは月額550円の有料オプションですが、プランMとLの通常料金の差は月額1100円なので、月30GB使う人はプランLよりプランMにデータ増量オプションを追加した方がお得です。また、データ増量オプションはキャンペーンにより契約から7カ月は無料で使えます。
また、UQ mobileも11月12日から、月20GBに10分かけ放題が付いて月額3278円のコミコミプランを、料金そのままで月30GBに増量されたコミコミプラン+に変更しました。現在は終了日未定のキャンペーン「コミコミプラン+ データ10%増量特典」により容量がさらに3GB追加され、月33GB使えます。
povo2.0も新トッピング「データ追加360GB(365日間)」を追加しました。料金は2万6400円で、月々2200円で30GB使える計算です。さらに有効期間が365日間のトッピングを初めて購入する場合は購入金額の10%相当のau PAY残高(不課税)が還元されるため、実質1980円で30GB使えます。
●月30GBはどこがお得? 日本通信や楽天モバイルも含めて比較
では、月30GBのプランではどこがお得でしょうか。日本通信、楽天モバイルも含め、料金やサービスを比較してみました。
正直、一長一短で優劣はつけがたいですが、料金が最も安いのは日本通信の合理的50GBプランです。50GBのデータ容量と5分かけ放題、または70分の無料通話がついて月額2178円は破格の安さです。また、データ容量が20GBで足りるなら、月額1390円の合理的みんなのプランも選べます。どちらも音声通話は30秒11円で、専用アプリなしで高音質なVoLTEで通話ができるのがメリットです。
ただし、日本通信は昼や夕方に速度が低下することがあります。1日中快適に使いたい人はキャリアのオンライン専用プランやサブブランドがおすすめです。
ahamoとLINEMOはともに30GBと5分かけ放題が付いて月額2970円ですが、細かい差があります。ahamoのメリットは海外でも追加料金なしでデータ通信ができること、容量超過後に最大1Mbpsで使い放題(通信量に制限がない)の点です。
LINEMOは合計45GB(容量超過後に15GB)使うと最大速度が1Mbpsから128kbpsに制限されます。一方、LINEアプリによるデータ通信はカウントされない「LINEギガフリー」なので、LINEの音声通話やビデオ通話は容量を気にせず使えます。
また、最近はいわゆる「パケ詰まり」等によるドコモ回線の通信品質の低下が話題になっていますが、ソフトバンク回線は通信品質が高いと評判です。好みでLINEMOを選んでもいいでしょう。
UQ mobileはahamo/LINEMOより月308円高いものの、料金に含まれるかけ放題が10分なのが特徴です。ahamoもLINEMOも5分超過後は30秒ごとに22円かかるので、5分を超える通話が多い人はUQ mobileがお得かもしれません。また、「余ったデータ容量が翌月に繰り越される」「店舗でサポートが受けられる」のもメリットです。現在は「コミコミプラン+データ10%増量特典」により、誰でも+3GBの33GBまで使えるのもうれしいポイントですね。
Y!mobileのプランMは月額料金が4565円と高く、固定回線とのセット割「おうち割光セット(A)」が適用できない場合は割高です。ただし、おうち割とPayPayカード割を適用すれば、データ増量オプションの550円を足しても月額2728円で30GBを使えます。
UQ mobileと同じく「余ったデータ容量が翌月に繰り越される」「店舗でサポートが受けられる」のに加え、最大のメリットは端末が安く買えることでしょう。オンライン限定割引により一括1円で買える機種も多く、機種変更でも安く端末を購入できます。
楽天モバイルも選択肢の1つです。月30GBのプランはないものの、20GB以上ならどれだけ使っても月額3278円です。アプリ「Rakuten Link」を使えば一部を除き国内通話も無料なので、データ通信量や通話時間を気にせずに思い切り使えます。
割引額は大きくないものの、家族割の「最強家族プログラム」、65歳以上がお得な「最強シニアプログラム」、22歳までの「最強青春プログラム」、12歳までの「最強こどもプログラム」など、割引施策も豊富です。
●結局オススメはどれ?
筆者があまりスマホに詳しくない友人に勧めるとするなら、初めにahamo、LINEMOかUQ mobileを提案するでしょう。ざっくりですが、かけ放題が5分で足りないならUQ mobile、海外によく行くならahamo、通信品質にこだわるならLINEMO、といったところでしょうか。
一方、ITmedia Mobileの読者はリテラシーが高めの人が多いと思いますが、その場合は昼と夕方の通信速度低下がネックの日本通信や、通信品質が万全ではない楽天モバイルなどでもうまく使いこなせるでしょう。povo2.0の360GB(365日間)のトッピングで、実質月額2200円で運用するのも案の1つです。
筆者自身のデータ使用量は月5GB程度ですが、もし月30GB使うならLINEMOを選ぶと思います。同じ料金のahamoは「海外でも使える」「容量超過後の最大1Mbpsでの通信量に制限がない」ので悩みましたが、筆者の自宅やオフィス周辺はソフトバンク回線の通信環境がよいのでLINEMOの方が安心です。また、dアカウントに苦手意識があり、ドコモのサービスをメインで使いたくないという個人的な事情もあります。
他にも、日本通信とpovo2.0の組み合わせも考えました。メイン回線は日本通信の合理的50GBプランにし、昼や夕方の速度低下に我慢できないときは副回線のpovo2.0に切り替える、というやり方です。povo2.0では11月19日からローソン来店者に無料で0.1GB(最大で月10回、合計1GB)進呈するサービスを開始しました。また、ローソンのお買物券500円分とデータ追加0.3GB(24時間)が税込み500円で買えるトッピングも選べます。これらのトッピングをうまく活用すれば、副回線の維持費はほぼ無料に抑えるのでは、と思いました。
ただ、どちらもデータ容量は即時適用されて有効期限は24時間です。自分でチャージするタイミングを選べないため、この方法は使えません。通常のトッピングを買ってもよいのですが、それならLINEMOの方が管理するのが楽だなと思い、断念しました。
以上、月30GBの料金比較でした。ahamoをきっかけに多くのキャリアが料金据え置きで20GBから30GBに増量し、消費者にとっては大きなメリットとなりました。
ただし、月30GBのプランは選択肢が多く、各社の特徴もさまざまです。選ぶ際にはまずは自分の使用スタイルや、重視するポイントをしっかりと把握することが重要です。
著者プロフィール
シムラボ
「シムラボ」は、スマホ料金や端末に関するお役立ち情報を発信する個人サイトです。Y!mobileに乗り換えたことをきっかけに格安SIMのよさに気付き、今では主要な格安SIMは全て契約してレビューしています。モットーは「自分に合うものを、より安く」。
・Twitter(現X):@simlabo_jp
・サイト:https://www.simlabo.jp/
●ahamoショックにKDDIとソフトバンクが追随
今回の変動のきっかけになったのはahamoです。もともとahamoは月20GBのデータ容量に5分かけ放題が付いて月額2970円でしたが、10月1日から、料金はそのままで容量が20GBから30GBに増量されました。大盛りオプションを適用すると月額4950円で110GB使えます。
これに、まずは日本通信が追随しました。日本通信はもともと月10GBのデータ容量に5分かけ放題、または70分の無料通話が付いて月額1390円だった「合理的みんなのプラン」を、料金そのままで容量を20GBに増量しました。同じく、月30GBの容量に5分かけ放題、または70分の無料通話が付いて月額2178円だった「合理的30GBプラン」が、料金そのままで「合理的50GBプラン」に変更されました。
ここまでは前回の記事でお伝えしましたが、さらにLINEMO、Y!mobileとUQ mobileも追随しました。
LINEMOは、5分かけ放題付きで月20GBまでは月額2970円、30GBまでは月額3960円の2段階制だったLINEMOベストプランVを、月30GBに5分かけ放題が付いて月額2970円に変更しました。LINEMOベストプランVは2024年7月30日に開始したばかりだったので、わずか3カ月ほどで変更を余儀なくされました。
Y!mobileは、シンプル2のプランM/Lにデータ増量オプションを付けた場合の追加容量を5GBから10GBに増やしました。データ増量オプションを付けた場合、プランMは月30GB、プランLは月40GBまで使えます。データ増量オプションは月額550円の有料オプションですが、プランMとLの通常料金の差は月額1100円なので、月30GB使う人はプランLよりプランMにデータ増量オプションを追加した方がお得です。また、データ増量オプションはキャンペーンにより契約から7カ月は無料で使えます。
また、UQ mobileも11月12日から、月20GBに10分かけ放題が付いて月額3278円のコミコミプランを、料金そのままで月30GBに増量されたコミコミプラン+に変更しました。現在は終了日未定のキャンペーン「コミコミプラン+ データ10%増量特典」により容量がさらに3GB追加され、月33GB使えます。
povo2.0も新トッピング「データ追加360GB(365日間)」を追加しました。料金は2万6400円で、月々2200円で30GB使える計算です。さらに有効期間が365日間のトッピングを初めて購入する場合は購入金額の10%相当のau PAY残高(不課税)が還元されるため、実質1980円で30GB使えます。
●月30GBはどこがお得? 日本通信や楽天モバイルも含めて比較
では、月30GBのプランではどこがお得でしょうか。日本通信、楽天モバイルも含め、料金やサービスを比較してみました。
正直、一長一短で優劣はつけがたいですが、料金が最も安いのは日本通信の合理的50GBプランです。50GBのデータ容量と5分かけ放題、または70分の無料通話がついて月額2178円は破格の安さです。また、データ容量が20GBで足りるなら、月額1390円の合理的みんなのプランも選べます。どちらも音声通話は30秒11円で、専用アプリなしで高音質なVoLTEで通話ができるのがメリットです。
ただし、日本通信は昼や夕方に速度が低下することがあります。1日中快適に使いたい人はキャリアのオンライン専用プランやサブブランドがおすすめです。
ahamoとLINEMOはともに30GBと5分かけ放題が付いて月額2970円ですが、細かい差があります。ahamoのメリットは海外でも追加料金なしでデータ通信ができること、容量超過後に最大1Mbpsで使い放題(通信量に制限がない)の点です。
LINEMOは合計45GB(容量超過後に15GB)使うと最大速度が1Mbpsから128kbpsに制限されます。一方、LINEアプリによるデータ通信はカウントされない「LINEギガフリー」なので、LINEの音声通話やビデオ通話は容量を気にせず使えます。
また、最近はいわゆる「パケ詰まり」等によるドコモ回線の通信品質の低下が話題になっていますが、ソフトバンク回線は通信品質が高いと評判です。好みでLINEMOを選んでもいいでしょう。
UQ mobileはahamo/LINEMOより月308円高いものの、料金に含まれるかけ放題が10分なのが特徴です。ahamoもLINEMOも5分超過後は30秒ごとに22円かかるので、5分を超える通話が多い人はUQ mobileがお得かもしれません。また、「余ったデータ容量が翌月に繰り越される」「店舗でサポートが受けられる」のもメリットです。現在は「コミコミプラン+データ10%増量特典」により、誰でも+3GBの33GBまで使えるのもうれしいポイントですね。
Y!mobileのプランMは月額料金が4565円と高く、固定回線とのセット割「おうち割光セット(A)」が適用できない場合は割高です。ただし、おうち割とPayPayカード割を適用すれば、データ増量オプションの550円を足しても月額2728円で30GBを使えます。
UQ mobileと同じく「余ったデータ容量が翌月に繰り越される」「店舗でサポートが受けられる」のに加え、最大のメリットは端末が安く買えることでしょう。オンライン限定割引により一括1円で買える機種も多く、機種変更でも安く端末を購入できます。
楽天モバイルも選択肢の1つです。月30GBのプランはないものの、20GB以上ならどれだけ使っても月額3278円です。アプリ「Rakuten Link」を使えば一部を除き国内通話も無料なので、データ通信量や通話時間を気にせずに思い切り使えます。
割引額は大きくないものの、家族割の「最強家族プログラム」、65歳以上がお得な「最強シニアプログラム」、22歳までの「最強青春プログラム」、12歳までの「最強こどもプログラム」など、割引施策も豊富です。
●結局オススメはどれ?
筆者があまりスマホに詳しくない友人に勧めるとするなら、初めにahamo、LINEMOかUQ mobileを提案するでしょう。ざっくりですが、かけ放題が5分で足りないならUQ mobile、海外によく行くならahamo、通信品質にこだわるならLINEMO、といったところでしょうか。
一方、ITmedia Mobileの読者はリテラシーが高めの人が多いと思いますが、その場合は昼と夕方の通信速度低下がネックの日本通信や、通信品質が万全ではない楽天モバイルなどでもうまく使いこなせるでしょう。povo2.0の360GB(365日間)のトッピングで、実質月額2200円で運用するのも案の1つです。
筆者自身のデータ使用量は月5GB程度ですが、もし月30GB使うならLINEMOを選ぶと思います。同じ料金のahamoは「海外でも使える」「容量超過後の最大1Mbpsでの通信量に制限がない」ので悩みましたが、筆者の自宅やオフィス周辺はソフトバンク回線の通信環境がよいのでLINEMOの方が安心です。また、dアカウントに苦手意識があり、ドコモのサービスをメインで使いたくないという個人的な事情もあります。
他にも、日本通信とpovo2.0の組み合わせも考えました。メイン回線は日本通信の合理的50GBプランにし、昼や夕方の速度低下に我慢できないときは副回線のpovo2.0に切り替える、というやり方です。povo2.0では11月19日からローソン来店者に無料で0.1GB(最大で月10回、合計1GB)進呈するサービスを開始しました。また、ローソンのお買物券500円分とデータ追加0.3GB(24時間)が税込み500円で買えるトッピングも選べます。これらのトッピングをうまく活用すれば、副回線の維持費はほぼ無料に抑えるのでは、と思いました。
ただ、どちらもデータ容量は即時適用されて有効期限は24時間です。自分でチャージするタイミングを選べないため、この方法は使えません。通常のトッピングを買ってもよいのですが、それならLINEMOの方が管理するのが楽だなと思い、断念しました。
以上、月30GBの料金比較でした。ahamoをきっかけに多くのキャリアが料金据え置きで20GBから30GBに増量し、消費者にとっては大きなメリットとなりました。
ただし、月30GBのプランは選択肢が多く、各社の特徴もさまざまです。選ぶ際にはまずは自分の使用スタイルや、重視するポイントをしっかりと把握することが重要です。
著者プロフィール
シムラボ
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