「疲れてないわけでは…」WBC後遺症の「正体」 侍戦士が球界OBに漏らした「本音」とは
WBC期間中は明るくナインを鼓舞する姿も目立った牧。(C)Getty Images
シーズンが開幕して早2週間が経過した。各チーム、懸命な戦いを続ける中、「WBC余波」が心配されている。
ヤクルトでは主将でリーグ3連覇を狙う山田哲人が13日に登録抹消となった。12日のDeNA戦(神宮)に「3番・二塁」で先発出場していた山田は4回の三ゴロで一塁へ全力疾走した後、下半身にアクシデントが発生した模様で、翌日に抹消が決まった。再びチームに合流できる時期は不透明となっている。
【関連記事】WBC組の「離脱ドミノ」止まらず ヤクルト・山田哲人もアクシデント 12球団が戦々恐々の舞台裏
侍ジャパンメンバーの二塁手として走攻守にわたって活躍した山田、また先には同じくメンバーだった、西武・山川穂高もふくらはぎの張りを訴え、登録抹消となっている。西武では大会中、鉄壁の守備でチームを支えた遊撃手の源田壮亮もすでに右手小指の骨折の影響で現在は休養中とチームを離れており、約1か月後の合流を予定している。
海の向こうでは大会中4番も務めたレッドソックス・吉田正尚外野手も右太もも裏に違和感を訴え、14日(日本時間15日)のエンゼルス戦まで3試合連続でスタメンを外れている。
侍ジャパン組ではヤクルト・村上宗隆も本塁打こそ2本出ているものの、打率は・205(14日現在)と低調。本来の勝負強さが陰をひそめているとあって、シーズンへの影響が心配されている。
こういったWBC後の選手に与える影響に関しては、球界内からも様々な考察の声が出ている。現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務めた野球解説者の高木豊氏は14日に更新した自身のユーチューブチャンネルで、選手の不調について言及している。
侍ジャパン組に離脱が続いている背景には「なんといっても1番は(世界一)達成感への疲れ」と指摘した。最強ジャパンのふれこみでV奪回を至上命題とされ、2月の宮崎キャンプから始まり、3月の大会まで緊張感ある日々を送る中で、疲労が蓄積していったと見る。通常のチームとは違う枠組みで動くことでの気疲れもあったと推測する。
高木氏は実際に帰国後の牧秀悟(DeNA)と言葉を交わしたという。コンディションを心配する同氏に対し「正直、疲れてないわけではない」と疲労を認めながらも「でも、言い訳です」と前を向く姿勢を崩さなかったという。
過去にもWBC後のコンディション調整は課題とされてきた。従来とは違う早い時期にピークを持っていく必要があるため、その反動が出ること。短期間での時差をはさんでの移動、世界一への重圧、休みなくシーズンへ突入することでの肉体への負担など様々な要因が重なって、侍戦士に負荷をかけていることは間違いなさそうだ。加えてチームに帰れば、それぞれが主力選手として、ペナントを目指す待ったなしの戦いが待っている。
動画内では選手の不振や不調で不安を募らせているファンに向けて、「あれだけの感動を与えてくれた選手たちだから、待ってあげてほしいと思うけどね」と高木氏はメッセージを送り、約1か月ぐらいでコンディションも元に戻ってくるのではないかという見通しも語った。
すでに今シーズンからは声出し応援も解禁、日本の野球界も盛り上がっている。これ以上の離脱者が出ないことを願うばかりだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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