幻のポールとなってしまった平手晃平「正直、ショック」。なかなか聞かない『ガスバック違反』とGT500燃料タンク事情
スーパーGT第3戦鈴鹿のGT500で今季初ポールポジションを獲得した24号車リアライズコーポレーションADVAN Zが、予選後の車検で不合格となり、予選最下位となることが正式結果にて明らかになった。その車検不合格となった理由は、『ガスバック違反』チームの見解とともに、GT500で自身2度目のポールが幻となったしまった平手晃平にも話を聞いた。
今季これまでの2戦で思うような結果を残せていなかった24号車リアライズZ。昨年の第7戦オートポリス以来、そして平手晃平にとっては7年ぶりのポール獲得がセッション後の車検不合格で幻となってしまった。
その失格の理由は『GT500テクニカルレギュレーション1.6.1「ガスバック容量違反」』。GT500の最大ガソリン搭載量は最大100リッターとなっているが、基本的にどのメーカーもガソリンタンクは100リッターよりも大きめのもの搭載しており、規定の100リッターに合わせるためにガソリンタンク内にピンポン玉のようなプラスチックの素材をチームごとに入れて容量を調整している。
予選時に100リッターの燃料を搭載して走っているわけではないが、100リッターが上限となっているかどうか、車検でチェックされることになる。今回はその予選後の車検で、結果として数100cc、100リットルを上回ってしまったことで車検不合格となった。リアライズコーポレーションADVAN ZをメンテナンスしているKONDO RACINGのチームスタッフによれば、予選後のこのような車検での計測は初めてで、チームのガレージ内で計測した際には100リットルを下回っていたとのことで、今回の裁定には困惑しているという。
実際、ガソリンの容量は気温や気圧などにも影響され、チームの計測器も車検時のものとはまったく同一ではない。さらに鈴鹿のピット前は1コーナーに向かって下っているため、場所によっても数値は異り、さらに測るスタッフ、計測の仕方によっても数値は微妙に異なってくるという。それを考慮してか、レギュレーションでも計測時の条件などに細かい指定はないというが、今回は予選後の車検でそこに引っかかってしまった。
KONDO RACINGとしては、失格の事態は避けるために予選の裁定を受け入れて正式結果が出ることになったが、今年はCNF(カーボン・ニュートラル・フューエル)に変わって重量が変わっただけでなく、シーズン中にも匂いや色などが変更になっており、燃料の扱いが複雑に感じている部分はあるようだ。
いずれにしても、正式結果となってしまった以上、この順位で日曜の決勝を戦わなければならない。幻のポールとなってしまった平手晃平も、複雑な心境ながら、今回の結果と速さの手応えについて語った。
「正直ショックですね。ニッサンに移籍して初めてのポールでしたし、予選自体も自分としてはいいアタックができたと思っているし、車検に落ちてしまった内容が別に速さのアドバンテージにつながる部分ではなかったというのが、余計にショックです。これが仮に車高の違反や、エンジンでインチキしていたとか、速さのアドバンテージになるような違反だったら、それはもうしょうがないなと思えるのですけど、ガソリンの容量が少し多く入ってしまったという理由は、まったく予選の速さにはつながらない部分なので、本当、気持ちとしてはやるせないです」
「もう少し、チームとしてもできた部分はあるとは思いますが……いずれにしても僕らドライバーにはできる部分ではないので、チームを信じて乗っていますので、この結果については残念というしかないですね。ただ、クルマとタイヤ自体の速さはありますし、自信も持っています。明日は450kmの長いレースですので、最後尾スタートになりますけど、そこからまた頑張って走って、8月にもう一度鈴鹿のレースもありますのでいいデータを取りつつポイントをしたいですね」
7年ぶり、そして自身GT500で2度目、ニッサン移籍後初といろいろメモリアルなポールが幻となってしまった平手だが、最後は平手晃平らしい『平手節』で決勝の抱負を語った。
「明日は最近、テール・トゥ・ウインをしているニッサンチームが多いので、明日、ウチもそこに混ぜてもらおうと思います(苦笑)。一回上に登って、落とされて、また上がろうかなと。そんなドラマチックなことが明日(日曜日)起こすことができたら、カッコいいですね。今日の結果は本当に残念ですけど、チャンピオンシップはまだ3戦目ですし、まだ決勝ではないので、明日の決勝でまた少しでも盛り返せるように頑張りたいと思います」
日曜の決勝、24号車リアライズコーポレーションADVAN Zがどんな走りをみせ、そして巻き返すのか。トップ争いと同じように、最後尾にも注目が集まるレースとなる。
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