ドラフト1位が7人と1人…東都と東京六大学はなぜここまで差が付いたのか
青山学院大の常廣をはじめ、東都からは7人が1位指名を受けた(C)NorifumiNISHIO
さしずめ「人気の六大学、実力の東都」といったところでしょうか。
10月26日に行われたプロ野球ドラフト会議。大学球界の名門2大リーグが、明暗くっきりとなったことが野球ファンの間では話題となっています。
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東都大学野球リーグからは青山学院大の常廣羽也斗投手(広島)、下村海翔投手(阪神)、中央大の西舘勇陽投手(巨人)、東洋大の細野晴希投手(日本ハム)、国学院大の武内夏暉投手(西武)、亜細亜大の草加勝投手(中日)、専修大の西舘昂汰投手(ヤクルト)と計7人がドラフト1位で指名されたにもかかわらず、東京六大学野球リーグからは明治大・上田希由翔内野手(ロッテ)の1人だけにとどまったからです。
この「差」はなぜ生まれたのでしょうか。
スポーツ紙のデスクが解説します。
「東都からドラフト1位指名された7人は高校時代、いずれもそこまで騒がれた選手ではありませんでした。どうしてここまで成長できたかといえば、それは『戦国東都』とも呼ばれる激しい順位争いにあります。春の優勝校が秋に最下位争いとなるのは日常茶飯事。最下位となれば、経験者が『地獄』と口を揃える1、2部入れ替え戦の恐怖と戦わなくてはなりません。開幕前に監督や選手が抱負を聞かれ、『優勝』ではなく『入れ替え戦の回避』と答える所以です」
そんな過酷さは、プレースタイルにも直結するといいます。
「好投手が揃う東都では1−0で試合が決まることも多々ある。1点取られたら負け。このヒリヒリ感の中で投手は鍛えられます。東都が戦国なら六大学は元禄。入れ替え戦の心配もないし、東大戦という『ボーナスステージ』もある。逆に言えば東大の打者の『打率3割』は価値がある。東大の投手陣と対戦しないでその数字ですから」(前述のデスク)
それでも有望な高校球児にとって、東京六大学のブランドは不変であると言います。
「もしプロ野球選手になれなかった場合、東京六大学と東都大学では就職先が全然違います。また、逆に言えば東京六大学は目先の一勝にそれほどこだわらないので、スケールの大きな打者が育つ可能性も高い。東都大学では常に送りバント、進塁打が求められますから。例えばソフトバンクのドラフト3位で、慶應義塾大の廣瀬隆太内野手は今春のリーグ戦、打率1割台でしたが、15試合で本塁打を5発と量産しました。このようなおおらかさは六大学の魅力と言えるかもしれません」(大学球界関係者)
今年のドラフトでは東都勢に注目が集まりましたが、来年は明治大のショート・宗山塁内野手が目玉候補になると見られ、「宗山ドラフト」と報じるメディアもあります。
六大学勢の「反撃」にも注目が集まりそうです。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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