ソン・フンミン父が「優勝してはいけない」と断言 機運高まるアジア杯制覇を否定する理由とは?「韓国は全てで日本に劣る」

2024年1月8日(月)6時30分 ココカラネクスト

ソン・フンミンを筆頭に精鋭揃いの韓国。来るアジア杯でも優勝候補の一角と見られているが……。(C)Getty Images

 来る1月13日、カタールでアジアカップが開幕する。今月5日からドーハに入った日本代表をはじめ、サウジアラビアやオーストラリア、そして韓国といった“列強国”が、頂点を決めるべく熾烈なトーナメントに挑む。

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 直近9戦無敗(9連勝)と絶好調の日本が、史上最多5度目のアジア制覇が挑む今大会にあって、ライバルと目されるのが、元ドイツ代表監督ユルゲン・クリンスマンが率いる韓国だ。ソン・フンミン(トッテナム)やファン・ヒチャン(ウォルバーハンプトン)、キム・ミンジェ(バイエルン)などヨーロッパの4大リーグでプレーする実力派が居並ぶ精鋭軍団は、連覇を果たした1960年大会以来となるタイトル奪還に燃えている。

 メディアで「史上最強」とも言われるチーム状況だけに、国内の優勝に対する期待も高まっている。そんな世論を切り裂くように「優勝してはいけない」と異論を述べる人物がいる。大黒柱ソン・フンミンの父ソン・ウンジョン氏だ。

 アジア史上最高のサッカー選手の呼び声も高い愛息子を育て上げたソン・ウンジョン氏は、現在、韓国・春川で「ソン・フットボール・アカデミー」を運営。母国のサッカーにおける育成の底上げに携わっている。そんな育成現場のリアルを知る同氏は、国内最大級のネットワークを誇る『連合ニュース』のインタビューで「個々の技量を見ると、まだ韓国は日本に勝てていない。これは韓国のサッカー選手たちが反省しなければならないことだ」と指摘。そのうえで、アジアカップ制覇を「してはいけない」と論じた。

「サッカーの実力、そして業界への投資力などすべての面で韓国は日本に劣っている。この現状のなかで優勝してはいけないと思う。もちろん、64年間で一度も優勝できなかったことは、私を含めて全てのサッカー人が反省すべきだ」

 自身も現役時代には将来有望なストライカーだった。しかし、相次ぐ故障により道は閉ざされた。そんな複雑なキャリアを持つソン・ウンジョン氏は、以前からオーバーワークを強いる母国の育成環境に異を唱えてきた。ゆえに「アジア制覇」という目先の結果だけに囚われるべきではないと主張するのだ。

 育成現場の過酷さを目の当たりにしてきたソン・ウンジョン氏は、「当然、韓国が優勝することは願っている」としながらも、複雑な胸中を打ち明けている。

「次世代の準備が不十分な状態で優勝してしまったら、その結果だけが脚光を浴び、変化が生まれないんじゃないかと心配になる。そうなると韓国サッカー界が、病に陥るんじゃないかとも思う。仮に空っぽの実力で日本に勝ったとしても、それは自分自身に対する嘘になる。冷静に見て、この大会は優勝してはいけない」

 韓国サッカーの未来を憂いたソン・フンミンの“師”と言うべき指導者の指摘は、代表を愛する者たちの耳にどう響くだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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