FIA、ドライバーの不適切な言動への処罰を厳格化。新ガイドラインによりポイント剥奪や1カ月の出場停止の可能性も

2025年1月24日（金）17時35分　AUTOSPORT web

　FIAは今週、国際モータースポーツ競技規則の付則B項として、スチュワードがペナルティを決める際に基準とするガイドラインを新たに発表、ドライバーらが不適切な言動を行ったと判断された場合、罰金、出場停止、ポイントの一部剥奪といった処罰が科される可能性があることが明らかになった。

　2024年のF1シンガポールGPでマックス・フェルスタッペン（レッドブル）がFIA記者会見で不適切な言葉を使ったと判断され、社会奉仕活動を行うというペナルティを受けた。フェルスタッペンはこれに強い不満を示し、仲間のドライバーたち全員が彼の不満に共感したが、FIA会長モハメド・ビン・スライエムは、ドライバーたちの行動をより厳しく管理するという決意を固めているようだ。

　今回発表されたのは、5つの分野の違反へのペナルティに関するガイドラインで、2年間の間に同様の違反を犯すと、より厳しいペナルティを受けることが定められている。5つの違反とペナルティは、以下のように説明されている。

■FIA、その組織、そのメンバー、またはその役員に対して、および一般的にモータースポーツの利益とFIAが擁護する価値観に対して、精神的な損害または損失を引き起こした言葉、行為、または文書

・1回目の違反：10,000ユーロの罰金
・2回目の違反：20,000ユーロの罰金および1カ月の出場停止（ただし、この出場停止は執行猶予付き）
・3回目の違反：30,000ユーロの罰金および1カ月の出場停止、さらに選手権ポイントの減点

■ISC第20条で定義されたあらゆる不当行為：
・言語の使用全般（書面または口頭）、ジェスチャーおよび/またはサインが、攻撃的、侮辱的、下品、無礼、または乱暴であり、粗野あるいは無礼であったり、侮辱や屈辱を引き起こしたり不適切であると、合理的に予想され、認識される可能性がある場合
・暴行（肘打ち、蹴り、パンチ、殴打など）
・上記のいずれかを行うように煽動する行為
※以上を含むが、これに限定されない。

■暴力または憎悪への公然たる扇動

・1回目の違反：10,000ユーロの罰金
・2回目の違反：20,000ユーロの罰金および1カ月の出場停止（ただし、この出場停止は執行猶予付き）
・3回目の違反：30,000ユーロの罰金および1か月の出場停止、さらに選手権ポイントの減点

■一般的な政治的、宗教的、個人的な声明やコメントの作成および表示で、特にFIAがその定款の下で推進する中立性の一般原則に違反するもの。ただし、国際競技の場合はFIAから、また国内競技の場合はその管轄内の関連ASNから事前に書面による承認を受けた場合を除く。

・1回目の違反：10,000ユーロの罰金および公の謝罪とコメントの撤回。罰金は執行猶予となる場合がある
・2回目の違反：20,000ユーロの罰金および公の謝罪とコメントの撤回、さらに1カ月の出場停止（ただし、この出場停止は執行猶予付き）
・3回目の違反：30,000ユーロの罰金および公の謝罪とコメントの撤回、さらに1カ月の出場停止、加えて選手権ポイントの減点

■FIA選手権の一環として開催される競技における公式式典中の、人員の任命および参加に関するFIAの指示に従わなかった場合

・1回目の違反：15,000ユーロの罰金
・2回目の違反：30,000ユーロの罰金および次回イベントにおける指定区域へのアクセス禁止
・3回目の違反：45,000ユーロの罰金および6カ月間の指定区域へのアクセス禁止、さらに選手権ポイントの減点