ノリスやラッセルがコース内外で立ち向かったことで、フェルスタッペンの“優位性”は崩れつつあると元F1ドライバーが指摘

2025年1月31日(金)6時44分 AUTOSPORT web

 元F1ドライバーのジョニー・ハーバートは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンの無敵のオーラが薄れ始めているかもしれないと考えている。


 長年にわたりフェルスタッペンは、攻撃的なレーシングスタイルと鋭いコメントを駆使してライバルを寄せつけず、レーストラックだけでなくF1の神経戦でも主導権を握ってきた。


 しかしハーバートは、フェルスタッペンがF1のライバルたちを威圧する能力に“疑問符”がつき始めていると示唆している。ランド・ノリス(マクラーレン)とジョージ・ラッセル(メルセデス)はふたりとも、4度の世界チャンピオンの物議を醸す戦術にコース内外で公然と立ち向かっており、それにより、かつては鉄壁だったフェルスタッペンの精神的優位性が崩されようとしている。


■反乱が始まった


「昨年楽しめたのは、マックス・フェルスタッペンがゲームをプレイし、やりあっていたすべてのドライバーについてコメントして、コース上の全員を威圧していたことだ」と、ハーバートは『Casinoutanspelpaus.io』とのインタビューで説明した。


「しかし、彼らはみんな反抗し、抵抗し、立ち上がり始めた。ジョージ・ラッセルも彼に立ち向かったひとりだった」


 計算されたドライビングと揺るぎない態度で知られるラッセルは、昨年のカタールGP予選後のスチュワードオフィスにおける対立についてフェルスタッペンを非難するなど、彼の優位性に声高に異議を唱えてきた。ラッセルは、フェルスタッペンが威圧的な戦術をとり、物事が自分の思い通りにいかないときはいつも無謀な行動をすると非難した。


 ハーバートによれば、このような反抗心はF1では不可欠だという。


「レーストラックで何が起こったかについて他のドライバーがコメントしたとしても、それに対して立ち向かうような人物がこのスポーツには必要だと思う」


「彼らはそうすべきだ。彼らはお互いに敬意を払うべきだ。ラッセルがメディアに対してしたように、時には立ち上がって『いや、それは正しいことではない』と言うことで、敬意を示すのだ」

2024年F1第23戦カタールGP 予選2番手のジョージ・ラッセル(メルセデス)と予選トップのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)


■フェルスタッペンの支配に疑問


 ハーバートは、こうした抵抗の高まりがフェルスタッペンの心に疑念の種を植え始めていると考えているが、これは自信にあふれた4度の世界チャンピオンにとっては珍しいことだ。


「フェルスタッペンは常にみんなを威圧したがってはいるが、突如として疑問符が出てくるだろう。ある特定のコーナーで、他のドライバーは彼を威圧することができるだろうか? この特定のラップではどうか? 選手権のこの特定の時期ではどうか?」


 ハーバートはまた、この力関係の変化から有利になる可能性があるドライバーとしてノリスを挙げた。昨シーズン、ノリスにはフェルスタッペンに対して一貫してタイトル争いを繰り広げるだけのマシンがなかったものの、フェルスタッペンとホイール・トゥ・ホイールで戦う高い意欲があることを示してきた。


「ちょうど今、彼の頭に疑問符が浮かび始めているようだ。しかし、フェルスタッペンは自信にあふれており、周囲で起こっていることすべてをコントロールしている」


「ランド・ノリスはその疑問を呈するやり方を学んでいるところだと思う。そして、おそらくフェルスタッペンに立ち向かう他のドライバーたちが何をするか見ていると思う」


 ハーバートは、フェルスタッペンのライバルたちがより大胆になるにつれ、フェルスタッペンの止まる所を知らぬ支配の日々が終わりを迎えるかもしれないと考えている。ラッセルやノリスのようなドライバーが反撃することで、F1における心理的な力のバランスが変化し始めている。フェルスタッペンは適応して自身の優位性を維持できるだろうか。それともF1は、フェルスタッペンがより速いマシンだけでなく、威圧されることを望まないライバルからの抵抗にも直面するという、新たな局面に入るのだろうか。それは時間が経たなければわからないだろう。

2024年F1第20戦メキシコシティGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とランド・ノリス(マクラーレン)のバトル


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