小学生年代のJFA選手登録料が無料に 登録制度改革の第一歩、生涯サッカーに関わる環境作りへ

2022年2月10日(木)21時5分 サッカーキング

オンラインでの取材に応じた田嶋会長

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 日本サッカー協会(JFA)は10日、第4種(U−12)チームに所属するサッカーおよびフットサル選手のJFA登録に関して、2月14日6時から開始する登録申請から無料化すると発表した。

 JFAは『JFA2005年宣言』で掲げている『JFAの約束2050』の中での「サッカーファミリーが1000万人になる」ことを目指しており、その施策の一つとして、登録制度改革とメンバーシップ制度の導入を進めてきた。これまでは第4種年代のサッカー選手からは700円、フットサル選手からは500円を登録料として得ていたが、改革の第一歩として無料化し、JFAのメンバーシップへの加入をうながしていく。

 発表に際し、JFAの田嶋幸三会長は取材に応じ、ここまでの経緯を説明。今回対象となる第4種世代だけでなく、女子やシニアなどの登録含め、長期にわたり、現場との議論も重ねた上での最初の取り組みと話し、「少子化に伴い、少しずつ登録人数が減り、さらにコロナ禍の2年間で大きく減りました。コロナ禍以前から現場の方々とも複数回議論してきた中で、決定に至りました。(メンバーシップ加入は)アプリで行う形を考えています。収益ではなく、メンバーシップで多くの方がサッカーに関わることが重要と考えました。小学生はクラブに在籍はしていても、選手としてJFAに登録していない方が7割ほどになります。実数だと50万人近くです。多くの方に入ってもらえるよう、整備をしてきて、ようやく実施できる形になりました」と説明。

 これまでは大会を開催するために必要だった選手登録だったが、コロナ禍で試合や大会が開催できなかったこともあって登録者が減少。「個人登録は長年考えてきました。現場とも喧々諤々話し合ってきた」ことで、移行できる土台が出来上がった。加えて、高校卒業のタイミングとなる18歳で登録者が大幅に減ることについても触れ、「特に18歳で登録しなくなる一方で、各大学同好会や市区町村のリーグに出ていたり、指導者ライセンスを持っている人もいることが多く、やる人、応援する人、皆さんにメンバーシップへ入っていただき、卒業してストンとやめるのではなく、生涯携わるシステムを作っていきたい。その第一歩だと思ってください」と続けた。

 将来的には個人としてメンバーシップに登録をすることで、移籍などもしやすくなる環境を整えられると強調。試合出場機会が少ない選手が、より移籍しやすくなるシステムにすることで、底上げも図るつもりだ。

 さらに、JFAの登録とともに、各都道府県サッカー協会への選手登録もあり、全国ではなく地域の大会出場を目的としている場合は、JFA登録をしていないケースもあったという。田嶋会長はドイツを参考例に挙げ、「ドイツ協会は審判や施設の斡旋なども全部やっていますが、協会としてはお金を取ってなく、各州のサッカー協会が集めています。将来的にはそういった形を目指したいと考えてます。今まではJFA登録料を財源に含めて各都道府県協会への補助金にしていましたが、(今後は)パートナーさんからの収益や予算の有効活用を考え、補助金は変えずにやっていきます。そのためにも多くの方にメンバーに入っていただきたいと考えています。メンバーに入ることで、日本サッカー全体をサポートしていると考えていただけるようなことをやっていきたいです」と呼び掛けている。

 まずは第4種選手の無料化から開始となるが、「直接的な部分で言えば、保護者の方の登録もできるようにしたいと考えています。例えば、我々のパートナーである企業さんの買い物への特典といったスポンサーメリットもしっかり立ち上げていきたい。他に代表選手からもヒアリングして、登録してくれている人に誕生日へのメッセージが届くなどを考えています。加えて、私たちが持つ情報を多くの皆さんに直接伝えられるつながりを持ちたい」と、サッカーファミリーを広げていくための取り組みを続けていくとコメントしている。

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