Jリーグが日本財団と連係協定 気候変動対策へ本腰 野々村チェアマン「サッカー界として本気で取り組む」
2025年5月9日(金)15時22分 スポーツニッポン
Jリーグは9日、日本財団とサステナビリティ領域における連携協定を締結し、都内で記者会見を実施した。Jリーグは猛暑によるリスク軽減などの理由から、26〜27年シーズンより8月開幕の秋春制に移行する。Jリーグの野々村芳和チェアマン(53)は「気候とサッカーのプレーは影響する。根本的に気候変動を食い止めるために何ができるか、サッカー界としても本気で取り組んでいこうというスタンス」と話した。
連携協定による具体的な施策の一つが「Sport Positive Leagues」への参画。プレミアリーグが18〜19年シーズンより気候変動対策にとって重要な12項目について各クラブの取り組みを可視化しているもので、日本でもプレミアリーグの項目をもとに独自の基準を設け、アジアで初めて26年1月からスタートさせる。日本財団からの25年度の助成金は3億7000万円。まずはJリーグ全60クラブに上限400万円の助成を行い、事業の推進を後押ししている。
会見には元日本代表MFの中村憲剛氏(44)や、ノルディックスキー・ジャンプの高梨沙羅(28=クラレ)、元ラグビー日本代表の五郎丸歩氏(39)らも出席。20年シーズンまで現役を続け、引退後は指導者としても現場に携わる中村氏は「僕が若いときに比べると、日本の夏はプレーするには命に関わるレベルで暑くなってきている」と危機感を口にし「個人では限界がある。みんなでコラボレーションしていくことで関心を持ってもらえる」と訴えた。
自身でも雪山の自然環境を守るための「JUMP for The Earth PROJECT」を立ち上げて環境保全に取り組む高梨は「ルールもあってゲーム感覚で楽しめるけど、大きな(環境)問題に対してポジティブに取り組んでいける仕組み」と前向きな感想を語り、五郎丸氏も「レギュレーションができたことで各クラブの目線が上がり、行動が変わっていく。それによりファンや選手の行動も変わる。非常に面白い取り組み。他の競技団体もマネしてほしい」と期待を寄せた。