“韓国のイチロー”ゆえの過小評価も…イ・ジョンフに問われる大型契約の真価「打率や単打の価値は低下している」
2025年2月14日(金)5時30分 ココカラネクスト

巧打者として名をはせてきたイ・ジョンフ。(C)Getty Images
怪我からの再起を期する若武者に、米球界はシビアな目を向けている。ある意味で、期待の裏返しとも言える“逆風”を受けるのは、ジャイアンツのイ・ジョンフだ。
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23年オフに6年1億1300万ドル(約169億5000万円)というアジア人野手最高額でジャイアンツに移籍したイ・ジョンフは、ルーキーイヤーとなった昨季は開幕からレギュラーとして抜擢。元中日の助っ人であるイ・ジョンボム氏を父に持つサラブレットの活躍に注目が集まった。
しかし、開幕間もない5月13日のレッズ戦で外野フェンスに激突して左肩を脱臼。直後に左肩関節唇損傷の修復手術を執行してシーズンからの離脱を余儀なくされた。全力プレーの先に待っていた不可抗力の怪我ではあったが、新人王の筆頭候補にも挙げられていたイ・ジョンフだけに周囲の期待を裏切った感は否めない。
KBOリーグでは7シーズンで、通算で打率.340、出塁率.407、長打率.491とハイアベレージをマーク。巷で「韓国のイチロー」と称される打撃センスは自他共に認めるところだ。だからこそ、これ以上の躓きは許されない。米メディアではイ・ジョンフの真価発揮こそがジャイアンツの運命を左右するという見方が強まっている。
米メディア『The Athletic』は「イ・ジョンフはバックアッパーか、スター選手になるか」という極論的な記事を展開。「球団は1年目をメジャーリーグへの適応期間になると分かっていた」としながらも、長打力が.331(長打率)と落ち、ミート力に比重が置かれた打撃を次のように指摘した。
「彼のような極端なコンタクトヒッターは、たまにしか長打を補えないのであれば、今日の球界でどれほどの価値があるのか?」
無論、韓国国内でもシビアな声に理解は示されている。一方で挫折からの飛躍に期待も寄せられている。日刊紙『朝鮮日報』は、昨今の米球界では「打率や単打の価値が大きく低下している」と言及。かつてのイチロー氏のようなコンタクトヒッターが「過小評価されている時代にある」とし、26歳の奮起を促している。
「とにかくバラ色の期待と希望に満ちていたルーキーイヤーに比べ、2年目のシーズンは早くも疑いと疑問符がつき始めている。そんなシビアな評価と懸念を払拭する方法はひたすら成績を残すしかない。イ・ジョンフが実力で見せるしかないのだ」
大型契約の正当性を見せるために、イ・ジョンフに求められるのはとにかく結果。今オフに「なにもかもが足りない。良い選手というのは、たくさんの試合に出場する選手だと思っている。そうやって大きな成績を残すだと思う」と語った本人がどこまで飛躍できるかは興味深く見守りたい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]