「あのイチロー選手だって毎年打ち方が違うだろって」巨人・阿部監督から坂本復活へ打撃改革指令「ガラッと変えないと」

2025年4月25日(金)5時0分 スポーツ報知

15日DeNA戦の試合前練習で坂本(左)に直接指導する阿部監督

 巨人の阿部慎之助監督(46)が24日、スポーツ報知のインタビューに応じ、開幕から約1か月たった現在の心境を語った。打率1割2分9厘と不振で15日に2軍降格した坂本勇人内野手(36)には「変化なしに進化なし」との言葉を贈ったことを明かし、完全復活へ打撃面の大幅な変身を求めた。我慢強く起用する若手についての考えも披露。貯金3の現状を「上出来だと思う」と前向きにとらえ、25日からの阪神3連戦(甲子園)に向けて移動した。(取材・構成=片岡優帆)

 休養日明けの15日のDeNA戦(東京D)練習前。阿部監督はベンチ裏で坂本と話し合った。本人の申し出で2軍降格を決断した。

 「勇人が『監督と話がしたい』って言うから。この時期に引退はないだろうって思ったけど。ファームに行かせてくれとかそんな感じかなとは思った」

 そこまで14試合中11試合に出場して31打数4安打、長打なし。阿部監督の中でも2軍再調整を検討し始めていた。意見は合致した。

 「タイミング的に同じ感じだった。(セ5球団との対戦が)一回り終わって」

 坂本のプロ1年目のオフにグアム自主トレに誘ったのが阿部捕手。長い間、近くで成長を見てきた後輩と現状の打撃について意見交換して言葉を贈った。

 「『変化なしに進化ないよ』って言って。人が見ても変わったなと思うぐらいガラッと変えないと、いい成果は出ないんじゃないって言ったんだけど。自分でこうなっちゃうんです、ああなっちゃうんですって分かっているから、そこはまだ救いで。それを変えることができるかだよね」

 阿部監督も通算406本塁打、2132安打した現役時代は毎年、変化を重ねながら19年間プレーした。

 「若い頃から打撃コーチの内田順三さんにそういう教育を受けてきた。あのイチロー選手だって毎年打ち方が違うだろって。ああいう選手でも試行錯誤して変えるんだぜって。変えるのって難しいんだけどね。自分では普段より高く足を上げて打ったつもりでも、後から見たら全然変わってないみたいな。相当変えないと変わらないことを身をもって知っているから」

 坂本は今、何を変える必要があるのか。改善ポイントの一つが構え方にあると阿部監督は見ている。

 「構えでガチッと力んで100になっちゃって、打つ時40くらいになるみたいな。理想は逆だよね。フワッと立ってバーンて打つ。練習では動きながら楽に構えて打てているから、その感じで試合もいければいいんだけど。練習のための練習になってしまっていた」

 結果が欲しい。何とかしたい。通算2419安打の実績を誇る坂本でも焦り、打撃フォームに狂いが生じていたのかもしれない。高卒と大卒の違いはあるが、今季は阿部捕手が現役引退したシーズンと同じプロ19年目。坂本の完全復活の余地は「全然あると思う」と期待し温かく見守る。

 「あいつの場合はずっとショートで運動量が多い中でやってきての19年目だから。勤続疲労も絶対あると思うよ。想像を絶する体力を使ってきたと思うし。身も心も削られてここまで来てるからさ。こっちは邪険にするつもりはないし」

 昨夏に続く2軍調整で自分自身を見つめ直し、リフレッシュしてはい上がってきてほしい。だから「期限は決めていない」と1軍再昇格を急ぐつもりはない。

 「大事な時期に絶対に必要だと思っているから」

 坂本の復調を待ちながら若い選手にも目を光らせていく。

◆坂本のシーズン中の復活劇

 ▽23年 開幕後は不振に陥り、初安打が出場7試合23打席目と出遅れたが復調。夏場には右太もも裏の肉離れで約1か月間の離脱があったが、116試合で打率2割8分8厘、22本塁打、60打点と存在感を示した。

 ▽24年 前半戦は打撃不振の影響で2軍調整も経験したが、7月中旬に昇格。夏場以降は長打も増え、復調した。109試合の出場で2割3分8厘、7本塁打、34打点と打撃は不本意な成績に終わったが、三塁守備では何度もピンチを救ってゴールデン・グラブ賞に輝いた。

スポーツ報知

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