阪神・佐藤輝 「タイガース・レジェンズデー」に今季初の5連勝に導くリーグ単独トップ8号の“伝説弾”
2025年4月26日(土)5時15分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 阪神4—1巨人(2025年4月25日 甲子園)
阪神・佐藤輝明内野手(26)が25日、巨人戦(甲子園)の3回にリーグ単独トップとなる8号3ランを放った。4月中の8本塁打到達、チーム22試合目の20打点突破は、ともに自己最速。シーズン143試合換算で52本塁打、136打点の驚異的ペースだ。田淵幸一氏(本紙評論家=78)、掛布雅之氏(69)、江夏豊氏(76)が甲子園に集った創設90周年の「タイガース・レジェンズデー」で、チームを今季初の5連勝、68年ぶりの巨人戦開幕4戦4勝、そして首位へと導く“伝説弾”を叩き込んだ。
聖地の空に眠る藤村富美男、村山実。そしてセレモニーに集った田淵、掛布…「ミスタータイガース」の称号がまぶしい歴戦のレジェンドを前にして、佐藤輝が継承を誓う放物線を架けた。
「そういうところ(阪神の顔)を目指してやっている。できることはやりたいと思う」
3回1死一、二塁で放った、天高く、誇り高く舞う鮮やかな8号。新時代の「ミスタータイガース」は、まぎれもなくこの男だ。
「(風が)フォローだったので、(スタンドに)行くかなと思った。楽に振れている」
1—0から4—0に突き放し、同期の先発右腕・村上を大きく援護した。一見、中飛にも思えた飛球は、風にも乗り、バックスクリーン左へ着弾。直後、ビジョン表示されたのは「打球速度175キロ、角度37度」という衝撃の数値。これまでの自己最高35度を上回る弾道だった。一般的には打球に角度が付き過ぎて、凡飛になることが多いとされる。それをスタンドまで届かせた4番の痛快なパワー。20日広島戦(甲子園)での6、7号に続く、中堅から逆方向への理想的な一発だった。
「オフからずっとやってきた。自然と、そっち(逆方向)に打てるように、というのは今はできているかな」
同じグラウンドに立っていた岡本の7号を抜き去り、本塁打争いでセ・リーグ単独トップに躍り出た。21打点も1位・岡本と併走。まだ22試合目で「先は長い。何も考えていない」と一笑に付したが、シーズン143試合換算で52発&136打点ペース。その通りにいけば、2冠確実の驚異的な量産態勢の最中に身を置いている。
「本当に助け合いながら、ではないが、誰かが打って点を取れている。凄くいい打線」
22、23、24日のDeNA3連戦は、バウアーから2長打の佐藤輝、決勝1号の大山、勝ち越し2ランの森下と中軸3人が順に打のヒーローを務めた。この日は再び佐藤輝に主役が回るも、先制打の大山と3安打の森下も輝いている。中軸の協和音が耳に心地よい「レジェンズデー」。今季初の5連勝と、7日以来の単独首位浮上。新生猛虎が、先人たちへの立派な恩返しを果たした夜になった。 (八木 勇磨)
≪4月8発は過去最速≫佐藤輝(神)がリーグ単独トップの8号3ラン。打点も21で岡本(巨)と並ぶトップに立った。4月はまだ4試合を残すが、開幕からチーム22試合で8本塁打、21打点は過去4年間の4月終了時点の成績と比較しても21、22年の7本塁打、21年の19打点をすでに上回る自己最速のスタートダッシュ。シーズン143試合換算で52本塁打、136打点ペースになる。