【阪神】「チームの心臓」鉄壁リリーフ陣で今季最長6連勝 リリーフ出身の藤川球児監督真骨頂
2025年4月27日(日)5時0分 スポーツ報知
巨人に連勝し、ナインを迎える藤川球児監督(カメラ・相川 和寛)
◆JERA セ・リーグ 阪神6—2巨人(26日・甲子園)
阪神が逆転勝ちで今季最長6連勝に伸ばした。藤川球児監督(44)が「チームの心臓」と口にするセ・リーグ屈指の救援4投手が6回から巨人打線を相手に無失点リレー。大山悠輔内野手(30)の8回1死一、二塁での2試合連続の魚雷バットによるV打の呼び水になった。巨人戦の開幕5連勝は03年以来で、5戦5勝は48年以来、77年ぶり。今季最多の貯金6で首位を走り、2位・広島と1・5ゲーム差に広げた。
ストロングポイントで接戦をものにした。藤川監督は、今季最多4万2631人が詰めかけた甲子園の大声援に感謝した。「ファンの皆さんのまだまだ行くぞという雰囲気が選手たちに乗り移って、本当にタイガースらしい、甲子園球場らしいゲームができたなというところですね」。今季最長の6連勝で巨人戦は開幕5戦5勝。77年ぶりとなる歴史的な一勝は自慢のブルペン陣が呼び込んだ。
2—2の6回から岡留、島本とつなぐと、8回は成長著しい高卒6年目・及川を投入。1死満塁の窮地を招いたが、キャベッジの痛烈なライナーを遊撃・小幡がダイビングキャッチし、代打・大城卓は150キロの直球で遊ゴロに仕留めてガッツポーズだ。13登板でいまだ防御率0・00。粘投がその裏の大山の決勝打を含む4得点を誘発して、今季3勝目を挙げた。9回はセットアッパーの石井が打者3人で締めくくり、守護神・岩崎がベンチ外だったなか、鉄壁のリレーを完成させた。
藤川監督は現役時代から口癖のように「ブルペン陣はチームの心臓」と表現し、球団最多243セーブ&163ホールドを築いた。重要視するからこそ、指揮官に就任した直後に救援の主力の岩崎、石井、桐敷を食事に誘い、欠かせない存在であることを伝えた。昨秋キャンプでは及川に投球フォームの直接指導を行うなど、ブルペン陣の層を厚くするための土台づくりに励んだ。
「まだまだ(起用法は)固めてはいけない」と先を見据えるが、救援防御率1・85はリーグトップ。この大型連勝が始まった20日の広島戦(甲子園)の7回途中から、リリーフ投手は延べ19人を起用して18回1/3を無失点だ。「心臓」が勝利のカギを握っていることは間違いない。
チームは今季最多の貯金6で2位の広島に1・5ゲーム差の首位に立つ。「きょう出ていない投手やファームの選手も含めて、たくさんの人数で戦っていくというのはチームとして非常に必要」。まだ始まったばかり。歓喜の秋に向け、長所を伸ばしながら最強のタテジマ軍団を構築していく。(小松 真也)