上沢ポスティング問題が再燃 プロ野球選手会が"異議申し立て" 改めてクローズアップされる「背景」と「解決への道すじ」とは

2025年2月21日(金)5時40分 ココカラネクスト

上沢は新天地で活躍を誓っている(C)産経新聞社

 このオフ、大きく話題を呼んだ、上沢直之のソフトバンク移籍をめぐっての経緯について、プロ野球選手会がメッセージを発信した。

 20日に沖縄・那覇市内でNPB(日本プロ野球機構)とプロ野球選手会の事務折衝が行われ、終了後に、プロ野球選手会の公式Xに以下の報告を行った。

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 「本日、球団側との事務折衝が開催され、多くの議題について協議しました」としながら、続けて「ポスティングで移籍した選手の国内復帰に関しては、森忠仁事務局長より、一部球団関係者の発言が誹謗中傷を煽る結果となっている旨を指摘し、球団側からは、今後はメディア対応も含めて配慮していく旨の回答を得ました」と投稿している。

 今回の上沢の日本球界復帰、ソフトバンク入団の流れにおいては、挑戦を認めた日本ハムの新庄剛志監督が道義上の問題を指摘しており、「一部球団関係者」は新庄監督を指しているものと見られる。

 上沢は2023年オフにポスティングシステムを利用してメジャーに挑戦。一時はメジャーに昇格した時期もあったが、大半をマイナーで過ごし、1年で帰国。古巣の日本ハムもオファーを出していたが、ソフトバンクと4年の大型契約を結んだ。新庄監督は1月に上沢に関して、ポスティング利用して短期間で帰国→ソフトバンク入団の流れに関して今後は控えてほしいと訴えるとともに、現行ルールの改革の必要性を訴えていた。

 日本ハムでは直近で上沢と同じく先発陣を支えた有原航平がポスティングを利用して、2年のメジャー挑戦の末に帰国、ソフトバンクに入団していた。
 
 現行のルールではポスティングが認められてメジャー挑戦後にはFA扱いとなるが、この点に関して指揮官は、せめて1年間、古巣で存分に活躍して、誰もが納得する形の移籍を果たしてほしかったと心情を明かす場面もあり、同選手の移籍が問題ないのは了承しているとしながら、今回の選択に「悲しい」と発言したことで上沢にも厳しい目が向けられた経緯があった。

 また、今回のポスティングをめぐる問題においては新庄監督ばかりではなく、複数の球界OBも意見を発信している。

 1998年に「日米間選手契約に関する協定」で導入された同制度をめぐっては球団によってのスタンスも違い、運用においても「移籍の抜け道」など、様々な波紋を呼んでいるため、ポスティングを認める年次や条件に関しても「12球団が統一したルールを作るべき」といった意見が起こっている。

 来年には再びWBCイヤーと今や、NPBの選手がメジャーを目指すのは止められない潮流となっている。一刻も早い、球団、選手、ファンすべてが納得のいく形の同制度のルール改定、ルール整備が求められている。

 もちろんシーズンが始まったら、選手を尊重し、パフォーマンス第一に考えるのは当然のことといえる。

 ポスティングをめぐる議論は進むか、球界全体で取り組む課題といえそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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