【角田裕毅テスト分析/2日目】5年目の成熟を示した1日。雨と問題修正で時間を失いながら、新車からペースを引き出す
2025年2月28日(金)6時1分 AUTOSPORT web
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初日のテストでは停電により、約1時間赤旗中断となったバーレーンでのプレシーズンテスト。停電は午後のセッションで起きたため、午前中のセッションを担当していた角田裕毅(レーシングブルズ)は難を逃れていた。
しかし、ハプニングは2日目でも起きた。バーレーンはこの時期、気温が下がると雨が降ることはあるが、それでも乾燥地帯なので例年の2月の降水量は16mm。滅多に雨が降ることはない。
ところが、その雨がテスト初日の午後に続いて、2日目は午前中に降った。セッション開始から1時間を過ぎたところで上空から雨粒が落ち始めると、次第に雨脚が強くなり、全車ピットインした。
エアロレイクと呼ばれる空力計測装置を車体に搭載し、C3タイヤを履いてコースインしていた角田も走行をあきらめてピットインした。その後、雨脚は弱まり、ハースのエステバン・オコンがインターミディエイト(雨と晴れの中間)タイヤを履いてコースインしたが、角田はほかの多くのドライバーたちと同様、ガレージにとどまったままだった。
今回のテストではタイヤは1チーム35セット持ち込むことができ、各チームは事前にコンパウンドごとのセット数を申請しておかなければならない。その選択の中に雨天用のインターミディエイトとウエットタイヤを選択していたチームは2チームしかおらず、角田が所属するレーシングブルズは雨天用タイヤは1セットも申請していなかった。
そのため、雨脚が弱った後も路面が乾いてドライタイヤを履いて走行できるまで、約1時間コースインすることができなかった。
この日の角田は、セッションを開始して間もなくして車体になんらかの不具合が発生し、約45分間、ガレージにとどまるなど、走行時間が制限された。そのため、2日目の周回数は初日の78周に届かず、46周となった。
それでも初日の自己ベストである1分31秒610を上回る1分30秒793をマークした角田は2日目を次のように振り返る。
「序盤にいくつか問題が発生したので、難しい一日となりました。ただし、テストは問題を早いうちに発見し、修正することが目的なので、驚くことではありません。みんな落ち着いて、やるべきことに集中して作業を続けていたことは良かったです。限られた走行の中でデータを収集し、マシンについてさらに学ぶことができ、全体的にはポジティブな一日でした」
限られた時間の中で着実に新車からペースを引き出していたところに、5年目のシーズンを迎える角田の成長を感じた。
いよいよ、2月28日はテスト最終日。レースシミュレーションを行うのか。または一発の速さを探るため燃料を軽くしてタイムアタックを行うのか。あるいはその2つのプログラムをどちらも行うのか。最終日も角田は半日を担当する予定となっている。
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