予選最速のホンダ・シビックが王者ルノーとの直接対決を制し優勝発進/TC2000開幕戦

2024年3月7日(木)18時50分 AUTOSPORT web

 歴史的転換点を迎えた南米大陸アルゼンチンを代表する“技術的最高峰”のツーリングカー選手権、TC2000の開幕戦が3月1〜3日にエントレ・リオス州のアウトドローモ・シウダード・デ・コンコルディアで開催され、予選ではYPFホンダRVレーシングのベルナルド・ラヴァー(ホンダ・シビックTC2000)がキャリア通算5回目のポールポジションを獲得。決勝でもレース1こそルノー陣営アクシオン・エナジー・スポーツTC2000の“3冠”王者リオネル・ペーニャ(ルノー・フルーエンスGT)に先手を奪われたものの、続く最終ヒートではチャンピオンとの直接対決を制したラヴァーが、ホンダ陣営に同地での初勝利をもたらした。


 今季より段階的にB〜Cセグメント級のSUVをベースとした新車両規定が導入されることとなり、すでにシリーズを代表して小型クーペSUV『VW Nivus SUV(フォルクスワーゲン・ニーヴァス)』こと“プロトタイプ001”のテストが続いているTC2000だが、その44年目の歴史的転換点を前に、FFツーリングカーとして世界最速の地位を築いて来た歴代モデルが集結する開幕戦の日を迎えた。


 レースウイークが迫るにつれ、首都ブエノスアイレスの目抜き通り(フィゲロア・アルコルタ通り)にある国営エネルギー企業YPFのステーションや、現地1日(金)には開催地至近となるエントレ・リオス市の5月25日広場で立て続けに盛大なラウンチパーティが催された。


 その席上にて、今季よりシリーズ復帰を果たす2006年、2007年、2011年、2013年、そして2020年“5冠”王者のマティアス・ロッシは、次のように抱負を述べた。


「コンコルディアはとても好きなサーキットであり、可能な限り最高のかたちでスタートできると楽観的に思っている。僕はチャンピオンシップを目指して戦うという明確な目標を持って戻って来たし、TOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアとともにしっかり戦っていきたいという思いで臨んでいる」と、近年は隣国SCBストックカー・ブラジル“プロ・シリーズ”で活躍を演じ、シリーズ史上『最も成功を収めた国外出身ドライバー』と称されるロッシ。


「カテゴリーから距離を置いた時期でもつねにチェックは欠かさず、そこにいるドライバーのレベルも知っている。チーム全員で戦っていくつもりさ」


 同じく昨季の連覇で自身の持つ史上最年長王者記録も更新したペーニャは、新たなチームメイトも迎えて挑む新シーズンに向け、仇敵のシリーズ復帰を歓迎する言葉を残した。

首都ブエノスアイレスの目抜き通り(フィゲロア・アルコルタ通り)にある国営エネルギー企業YPFのステーションや、1日(金)には開催地至近となるエントレ・リオス市の5月25日広場で立て続けに盛大なラウンチパーティが催された
WRCやWECなど、各世界選手権に倣って漆黒のGRカラーで登場した2024年仕様のトヨタ・カローラTC2000
予選ではYPFホンダRVレーシングのベルナルド・ラヴァー(ホンダ・シビックTC2000)がキャリア通算5回目のポールポジションを獲得する
しかし決勝レース1はルノー陣営アクシオン・エナジー・スポーツTC2000の“3冠”王者リオネル・ペーニャ(ルノー・フルーエンスGT)に先手を奪われる


■日曜決勝レース2はラヴァーとペーニャの一騎打ち


「コンコルディアは非常に挑戦的で、このレース以降は再び『1』のナンバーを守らなければならない。チーム全員でタイトルを再確認したいと思っているし、 マティアス・ロッシの復帰はカテゴリーの競争力を高める意味で、僕にとっても確かなモチベーションになるよ」


 そのロッシが自身の復帰を飾るFP1最速で幕を開けた週末は、続くFP2で今季よりTGRからルノー陣営に移籍したファクンド・アルドリゲッテ(ルノー・フルーエンスGT)がトップタイムを記録。さらにこちらも今季創設の中南米ルーキーカップ(賞金4000万ペソ/約700万円)を対象としたFP3では、シボレー陣営YPFエライオン・オーロ・プロ・レーシングのイグナシオ・メンデス(シボレーYPFクルーズ)がベストを奪うなど、各マニュファクチャラーが均衡した戦闘力を見せつける。


 その流れを受けた予選で輝きを放ったのはYPFホンダRVレーシングのFC1型シビックセダンを操るラヴァーで、すべての公式プレゼンテーション出席を回避して臨んだ勝負で、王者ペーニャやロッシらを退け最速の地位を奪ってみせた。


 明けた曇り空の日曜でも、そのラヴァーとペーニャが一騎打ちの様相を見せると、まずはレース1のシケインを含むテクニカルセクターで“プッシュ・トゥ・パス”を発動した王者がオーバーテイクを決め、通算34勝目を手にする。


 ここで「TC2000に参戦するのは今季で18年目だが、間違いなくアルゼンチンのモータースポーツで最も切望されるシートのひとつに戻ってきた」と語っていた3位のダミアン・フィネンチ(シボレーYPFクルーズ)とともに表彰台に上がっていたラヴァーは、南米におけるTRCランキング最上位の男として意地を見せ、続くレース2で逆襲に転じる。


 スタートで抜群の蹴り出しを見せた10号車ホンダ・シビックTC2000は、シケインでルノーを差し返すことに成功。2位ペーニャ、3位フィネンチと立場を入れ替えたトップ3でフィニッシュし、ホンダ陣営にとって12回目のコンコルディア出走でルノー、フォルクスワーゲン、フォード、シボレー、さらにプジョーに続くサーキット勝者の歴史に名を連ねた。


 今季も全12戦を予定し、シーズン後半戦には各陣営よりSUVの新規投入も予定される2024年のTC2000シリーズ。続く第2戦は現状開催地未定ながら、4月12〜14日の週末に争われる。

シリーズ復帰の“5冠”王者マティアス・ロッシの117号車は、エンジントラブルでレース2出走も叶わず
今季より、若手を対象とした中南米ルーキーカップ(賞金4000万ペソ/約700万円)も創設された
ホンダ陣営にとって12回目のコンコルディア出走でルノー、フォルクスワーゲン、フォード、シボレー、さらにプジョーに続くサーキット勝者の歴史に名を連ねた
続く第2戦は現状開催地未定ながら、4月12〜14日の週末に争われる


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