KBO最強守護神に立ちはだかる“冷酷な現実” 年俸3億円超えも、いまだMLB未登板で、母国でも辛辣意見「韓国に戻るかも」
2025年3月7日(金)11時30分 ココカラネクスト

春季キャンプでタオルを使ったシャドーピッチングで商売道具の指を骨折してしまったコ・ウソク。その立場は日々苦しいものになっている。(C)Getty Images
夢の舞台への道のりはとにかく険しい。昨シーズンに2023年オフにポスティングシステムを利用して2年450万ドル(約7億円)でパドレス入りして以来、いまだメジャーリーグのマウンドに立てずにいるコ・ウソクだ。
【動画】マイナーで苦しむ若き守護神 コ・ウソクの快投シーン
前評判は上々だった。現在26歳のコ・ウソクは2022年にKBOのLGで42セーブを挙げてタイトル獲得。韓国通算139セーブをマークし、同国球界では「最強守護神」と評された。
しかし、世界の強打者たちが集うメジャーリーグの壁は高い。1年目となった昨季は、地元・韓国での開幕戦直前にマイナーに降格。2Aで迎えた開幕後は10登板で、0勝(2敗)、防御率4.38と鳴かず飛ばず。春先となった5月に巧打者ルイス・アラエスとのトレードでマーリンズへの移籍を余儀なくされた。
ただ、新天地でもコ・ウソクは本領を発揮しきれない。2Aの18登板で防御率10.42、3Aも16試合で4.29と成績は改善されずに低空飛行に終始。迎えた今春は期待を込められてメジャーキャンプに招待をされるも、2月下旬にタオルを用いたシャドーピッチング中に右手人差し指を骨折。なんと1球も実戦で投げないうちにマイナーへの再降格が決まった。
どこか運にも見放されている感は否めない。現時点でマーリンズ内4位となる年俸225万ドル(約3億3000万円)を受け取っているコ・ウソクは、契約の保証は得られている。だが、相次ぐ不振から再びチャンスが舞い込むかは不透明な情勢ではある。
球界内で「最強」と言われた若き守護神の悲痛な現状には、母国内でも反響は広まっている。韓国メディア『is Plus』は「夢のメジャーリーグデビューはまた遠のいた」と指摘。「現実は冷酷だ。今シーズンの展望も暗かったが、不運なことに怪我に足を引っ張られてしまっている。コ・ウソクはボールを投げることなくマイナーで約束されていないチャンスを待つことになった」と皮肉った。
一部では、韓国球界の古巣LGツインズ復帰も報じられているコ・ウソク。「もしかしたら、メジャーリーグのマウンドを踏むことなく韓国に戻るかもしれない」(韓国メディア『OSEN』)と国内でも厳しい論調で書き立てられる26歳は、果たしてチャンスを手にできるか。
パドレス時代にはダルビッシュ有とも交流を深め、「日本文化が大好き」と明かした右腕だけに、大舞台で飛躍できるかは興味深く見守りたい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]