フレイザー・マッコーネル届かず。ロビン・ラーソンが2年連続王座を獲得/ナイトロクロス23-24最終戦

2024年3月8日(金)17時47分 AUTOSPORT web

 紆余曲折を経て最終戦を迎えた北米発のエクストリーム系ラリークロス選手権『Nitrocross(ナイトロクロス)』のファイナル“ダブルヘッダー”が、3月1〜2日にラスベガスのプラネットハリウッド特設コースで開催された。


 初日はドレイヤー&レインボールド・レーシング・ウィズ・JCレーステクニーク(DRR JC)所属のフレイザー・マッコーネルが勝利を収め、タイトル候補として最終日の逆転に賭ける展開に。しかし迎えた土曜は僚友のディフェンディングチャンピオン、ロビン・ラーソン(DRR JC)が“クリーンスイープ”を決め、2年連続のシリーズ王者に輝いている。


 アメリカ合衆国から北部越境し、カナダはカルガリーでの雪と氷のイベントを開催予定だったシリーズは、残念ながら気候条件に恵まれず2年連続の”賞典外”イベントへと変更して事実上のキャンセルに。結果、このラスベガスが文字どおりぶっつけ本番の2023-24シーズン最終戦となった。


 そのレースウイークを前にシリーズは来季2024-25シーズンに向けたアナウンスを実施し、新たなサポートクラスの創設とフロリダ州マイアミ戦を追加した改訂版カレンダーを発表。


 前者はEVパワートレインメーカーのハイパークラフトが、このプロジェクトのためにシエラ・カーズ社と提携し、車重約700kg、最高出力306PSの後輪駆動フルEVバギー『SIERRA ECHO R-Spec.(シエラ・エコー・アール・スペック)』の導入を決定した。


 これにより水素燃料電池スタック搭載の1080PS(800kW)、0-100km/h加速約1.4秒というフル電動ワンメイクEV『FC1-X』を使用する最高峰グループEに続き、サイド・バイ・サイド(SXS)や、こちらも新型車両を採用するNEXT EVO、そしてビーチクルーザーで知られるバハ・バグらとともに、ステップアップラダーのサポートクラスを構成する。


 そして2025年1月11日と12日には、これまで強風に悩まされて来たカリフォルニア州のグレンヘレン・レースウェイに代わり、国立公園のビスケーン湾至近でマイアミ・ラウンドを開催。さらにカルガリー・スタンピードでのアイスレースは、先手を打って正式にチャンピオンシップ外の“招待イベント”とする5会場全10戦が組まれた。

来季はサポートクラスに『SIERRA ECHO R-Spec.』の導入を決定。フロリダ州マイアミ戦を追加した改訂版カレンダーも発表した
WorldRX世界ラリークロス選手権2019年王者でもあるティミー・ハンセンは、DRR JCの4台目をドライブした
プラネットハリウッドのホテル&カジノのエントランスでは『FC1-X』デモカーも展示された


■タイトル2連覇に華を添える


「グレンヘレンが大好きだったが、厳しい天候やいくつかの要素があり、僕らがこのシリーズを次のレベルに引き上げようとしているところだという点を考えると、難しい決断を迫られた」と語るのは、シリーズ創設者兼初代王者のトラビス・パストラーナ(バーモント・スポーツカー)。


 こうして始まったプラネットハリウッドでの週末は、シリーズの前身たる2018年ナイトロ・モーター・ゲームズ初代チャンピオンで、WorldRX世界ラリークロス選手権2019年王者でもあるティミー・ハンセンや、元英国ラリークロス王者パトリック・オドノバンらのゲスト参戦組に注目が集まるなか、同じくデビュー戦のヴィクトル・ブランクス(VMVレーシング)にいきなりの悲運が訪れる。


 決勝進出ならずのLCQにて臨んだオープニングのジョーカーラップで、オドノバンと競り合った際、VMVレーシングの『FC1-X』はウォールに激突し赤旗が出され、ブランクスは地元の病院で検査を受けることに(無事退院)。


 さらにファイナルでは、ここまで全戦全勝で勝ち上がって来たオリバー・エリクソン(チームOMSE)がアクシデントに巻き込まれてポール発進をフイにし、2番手の王者ラーソンは元WorldRXハンセンの猛攻を凌ぐのに精一杯の展開となる。これで視界が開けたマッコーネルは、今週DRRとの契約延長に署名し残留を発表した自身を祝う勝利を挙げてみせた。


 しかし明けた最終日は、ラーソンがタイトル防衛へ破竹の勢いを披露したのに対し、マッコーネルは最初のレースで勝利を収めることができなかったことにより、事実上タイトルへの望みは絶たれることに。


 ファイナルまでの予選ヒートすべてで勝利したラーソンは、すでにヒート2の時点で数字上のタイトルを確定させていたが、今季最後の6周でも手を緩めることなくハンセンを圧倒。最終日の全ヒートを制覇する“クリーンスイープ”達成で、自身のシリーズ連覇に華を添える結果となった。

初日はフレイザー・マッコーネルが勝利を収め、タイトル候補として最終日の逆転に賭ける展開に
ロビン・ラーソン(DRR JC/左)は最後までハンセンを抑え切って2位表彰台に
前日のポディウムも活かしたロビン・ラーソンが”クリーンスイープ”を決め、2年連続のシリーズ王者に輝いた


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