「乗れそうで乗れなかった」久々の表彰台。惜敗の岩佐「チャンスを与えてしまった」【第1戦鈴鹿決勝会見】
2025年3月8日(土)19時53分 AUTOSPORT web

3月8日、三重県鈴鹿市に位置する鈴鹿サーキットで2025全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦の決勝レースが行われ、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの太田格之進が優勝を飾った。27周で争われたレース後、通算4勝目を前年からの3連勝で決めた太田と村岡潔チーム代表、僅差の2位でフィニッシュした岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、3位表彰台を獲得した佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)の4名が決勝会見に臨んだ。
村岡潔チームプリンシパル(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
「もう、うれしい以外なにもないです。毎回勝ったときに聞かれますが、やっぱりいま一番うれしいですね。前よりも『いま』勝ったのが一番うれしいです。本当にありがとうございます」
「暴れん坊のふたりですから、暴れてくれると思ったとおりの展開で、すごく楽しみました」
——2台同時のピット作業となりました。
「我々もそうですがあの状態でほとんどのチームが2台入れていて……うちは牧野選手のエンジンストールがありました。あれは本人の問題ではなく、クルマ側の問題でそうなってしまった。それだけはちょっと不運でしたね」
「それ以外はもう、あの状態でダブルストップをやれば2台目はもう(2番手から8番手に順位を下げた)野尻選手くらいの位置になってしまいますから、それはもう仕方がないです」
「1台目に出たドライバーたちがこうやってバトルして、良い結果を残してくれた。それが楽しめたので、お客さんも含めてね。チームもイコールコンディションで戦ったので素晴らしいレースだったと思います。今日はこの3人(太田、岩佐、佐藤)がヒーローだと思います!」

太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
予選:3番手 決勝:優勝
「今までは(予選で)前に出て逃げるという展開が多かったんですけど、今日はオーバーテイクをして勝てたというところで、速さだけでなく鈴鹿ではしっかり強さも発揮というか、証明できたかなと思っていて、非常に気持ちがいいです」
「(序盤に)野尻選手から離れていっていましたから、ペース的には岩佐選手のほうが速いのだろうなとは思っていました。チャンスはSC(セーフティカー)ランが明けてタイヤが温まり切る前のところだと考えていて、実際仕掛けた1周目は岩佐選手がスライドする場面が多かったので、『ここがチャンス』だと思って積極的にOTS(オーバーテイクシステム)を使っていったという感じです」
「そこからは逃げられると思ったのですが岩瀬選手もかなり速く、冬場でドラッグが大きいせいかスリップストリームもより効くなかで、なかなか引き離せず。最後まで本当にプレッシャーをかけられるかたちとなったので、今までと違ってタフなレースでした」

岩佐歩夢(TEAM MUGEN)
予選:2番手 決勝:2位
「クルマ自体は間違いなくポテンシャルが高かったと思います。ペースは正直なところ、フォローウィングというか誰かと一緒になって走ったときのポテンシャルは昨年からずっと、あまりポジティブな印象がなかったため、2番手に落ちてしまったあとは『勝負しにいけないのかな』と思っていました」
「タイヤ的にもデグラデーション(劣化)がほぼなかったですしね。そういった状況だと(前を追いかけるのは)厳しいのかなという気持ちがあったのですが、ただ諦めずに攻めた結果、勝負に持ち込むことはできたので本当に車のポテンシャル高かったと思っています」
「リスタートからの流れでチャンスを相手に与えてしまって、やられてしまったのがすべての敗因なので、そこに関しては悔しさが残りますし、大きな反省点だと思います。勝てるポテンシャルは大いにあったはずなので、この後すぐ明日に向けて切り替えて、またポジティブにやっていきたいと思います」

佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)
予選:6番手 決勝:3位
「リスタートのタイミングがいつもよりも少し変則的で結構待ってる状況だったので、もうここしかチャンスはないと思ってOTSを使い、(坪井翔を)抜きにいきました。太田選手も少しトウ(スリップストリーム)を貸してくれたので『ありがとう』と思いながら抜いていった感じです」
——2022年第9戦鈴鹿での3位以来となる表彰台でした。
「なかなか乗れそうで乗れなかったのが続いていたなかで、開幕戦から表彰台に乗れたというのは自分としても、チームとしても非常にポジティブですし、昨シーズンの年末からのポテンシャルを引き続き発揮できたというのは非常によかったと思います」
「今日はポジション的には、うちとしてはちょっと不利な状況ではあったのですが、明日は昨日のフリー走行と同じようなポジションになることが予想されるので、もっと上の順位でレースができたらと思います」
——同世代のライバルたちと僅差の戦いができました。
「自分たちのチームで積み上げてきたことが、結果としてトップチームに食い込めるようになってきたというのは非常にうれしいですね」
「ドライバーとしてはもちろん勝ちたいという気持ちはありますが、一歩一歩ステップ踏んでいって……欲を言えば今日、ふたり(太田と岩佐)の戦いに入り込みたかったですけど、そこは明日に向けてもう一歩ステップを踏んでいけれいいかなと思います」
