18歳の女性ドライバーがトヨタ・カローラGRS TCRをドライブへ。改訂版カレンダーも確定/TCR南米

　世界が国際女性デイを祝した3月8日を前に、南米大陸で展開されるTCRサウスアメリカ・シリーズに向け、マリア・ニーンコッターがコブラ・レーシングよりフル参戦を果たすことが発表された。

　昨年末のインテルラゴスにてチームの初代アウディRS3 LMSをテストしていた18歳は、今月末に迫ったアルゼンチン・ロサリオでの開幕戦で『トヨタ・カローラGRS TCR』をドライブすることが決まっている。

　同時にシリーズは、開催地未定となっていた2025年カレンダーの改訂版をリリースするとともに、今季より新たにハンコックがワンメイクタイヤの公式サプライヤーを引き継ぐこともアナウンスしている。

　これまでカートやシングルシーターでレースをし、昨季2024年は国内ステップアップのフォーミュラ・デルタに出場していたニーンコッターは、前述のとおり昨年末のインテルラゴスにてチーム代表のフラビオ“ノノ”フィゲレイドらの指南を受け、TCRサウスアメリカがコブラ・レーシングやブラジル自動車連盟（CBA）と共同で推進した前例のない選考プロセスに参加。この際、ライバルとなったカカ・マグノやレナータ・カマルゴらを退け、TCRのリージョン・シリーズへのフル参戦を決めた。

　より多くの女性ドライバーをこのスポーツに参加させる取り組みの一環として、国立スポーツ協会も支援した取り組みにより新たにカローラGRS TCRのシートを得た新鋭は、今季F1アカデミーに参戦する18歳のオーレリア・ノーベルスと19歳のラファエラ・フェレイラに並び『国際モータースポーツ・シリーズに出場することが確定した3人目の女性ブラジル人ドライバー』として、CBAなどから強力な財政支援が確約される。

　またTCRの選考に漏れたマグノは、同国を代表するSCBストックカー・ブラジル“プロシリーズ”のサポートシリーズであるストックライトに、同じくカマルゴはその下部シリーズたるツーリスモ・ナシオナルへの参戦が決まっている。

「我々としても、最終選考に進出した3人に同じ条件で競技できるよう配慮した。彼女らは全員、新しいタイヤ、同じクルマ、同じコンディションでほぼ同じ時間を走行した。そして実際、3人のパフォーマンスは非常に近いもので、技術的には全員が私の評価に値するほどだったよ」と語るのは、自身もドライバーとしてSCBで活躍を演じたチーム代表のフィゲレイド。

「わずか半日のテストでそのような選択をするのは簡単なことではないし、もっと多くの走行時間があれば、最終結果は変わっていたかもしれないほど僅差だった。しかし18歳のマリアは磨くべきダイヤモンドの原石である可能性があり、それが我々に大きな刺激を与えたんだ」

　そのTCRサウスアメリカは、前回のラウンチ段階で『開催地未承認』となっていた第2戦と第8戦を確定させ、4月のアルゼンチンはミシオネス州のアウトドローモ・シウダー・デ・ポサダスにて争われることに。

　そして8月以降にブラジルで開催される4連戦のうち、2戦目にプロットされていたヴェロチッタが、もともと10月開催予定だったリオグランデ・ド・スルに代替され、その枠をゴイアニアが埋めることで、この4戦すべてがSCBとの併催イベントとして実施されることが決まった。

　さらに創設初年度の2021年よりクムホを採用してきたTCRサウスアメリカは、この2025年よりハンコックにスイッチすることも表明。これで同社はSCB、ストックライト、そしてF4ブラジルに続きTCRブラジルとツーリスモ・ナシオナルにもワンメイクタイヤを供給するなど、これらすべてのプロモーターを引き受けるヴァイカーとの結び付きをより強固なものとしている。

「我々のカテゴリーでハンコックのようなスペシャリストの技術に頼れるようになったことを、非常にうれしく思っている」と語るのは、そのヴァイカーでCEOを務めるリンカーン・オリベイラ。

「タイヤは競技で求められる優れたパフォーマンスだけでなく、安全性と信頼性の面でも、モータースポーツにおいて極めて重要な要素だ。我々のチャンピオンシップ・ポートフォリオにある120台を超えるレーシングカーのすべてが、こうしてあらゆる面で最先端のテクノロジーを備えていると確認できるのは大きな安心感を得られるね」

■TCRサウスアメリカ・シリーズ2025年カレンダー改訂版