Jリーグ波乱の幕開け!各カテゴリー開幕からの1ヵ月を振り返る【2025】
2025年3月14日(金)18時0分 FOOTBALL TRIBE

2月14日に開幕した2025シーズンの明治安田Jリーグ。ガンバ大阪とセレッソ大阪の大阪ダービーで幕を開けた今季、初戦から各地で熱戦が繰り広げられ3月10日までに一部未消化の試合もあるがJ1は第5節、J2とJ3は第4節までの日程をそれぞれ消化した。
冬に積極的な補強に動いたクラブや上位カテゴリーに初参戦となったクラブを中心に大いに盛り上がりを見せるここまでのリーグ戦。大方の予想に反し躍進するチームがある一方で、思わぬ苦戦を強いられるチームも各カテゴリーで出ている。ここでは、そんな開幕から約1ヵ月波乱含みのリーグ戦を振り返る。

J1リーグ:苦戦の王者と復権の期待膨らむ常勝軍団
国内トップカテゴリーであるJ1リーグ。昨季の結果を受け、ジュビロ磐田、北海道コンサドーレ札幌、サガン鳥栖がJ2へ降格となった。入れ替わりで清水エスパルスと横浜FCが自動昇格でJ1復帰を果たし、昇格プレーオフを勝ち上がったファジアーノ岡山が初昇格となっている。
リーグ3連覇を狙うヴィッセル神戸はここまで苦しい立ち上がりとなった。昨年と同様多くの日本代表経験者を抱えるスター軍団だが、4試合を消化して3分け1敗と未だに白星無し。主力に怪我で離脱する選手も出ており、さらにACLE(AFCチャンピオンズリーグエリート)で日程的にも難しいシーズン序盤となっている。その一方で好調なのが、9年ぶりの王座を目指す鹿島アントラーズだ。開幕戦こそ黒星スタートとなったものの、第2節からは4連勝。新加入のFWレオ・セアラが5戦5発と期待通りの活躍を見せていることもあり、スタートダッシュに成功した。次いで、山口智体制の5年目を迎えた湘南ベルマーレと昨季2位のサンフレッチェ広島が開幕から負けなしと快調な滑り出しを見せている。
一方で、この冬積極的に補強を行った一部のクラブは難しいスタートとなっている。MFマテウス・サヴィオやMF松本泰志といった即戦力を多く獲得した浦和レッズは開幕から4戦未勝利。第5節でようやく初勝利を挙げたが、大きな期待に反して低調なスタートとなった。また、MFマテウス・カストロが帰還した名古屋グランパスは未だに勝ち無し。新戦力であり昨季までチームを支えたGKランゲラックに代わり新守護神としての活躍を期待されたGKシュミット・ダニエルの負傷といった不運にも見舞われ、現時点で最下位に沈んでいる。
王者神戸をはじめ、補強により戦力アップに成功したと見られていたクラブの苦戦といった予想外の事態も起きているが、その中でも鹿島や広島の安定感は流石と言う他ない。しかし、そんな好調な2クラブも昨年は勝ち点が伸び悩む時期もあったことから決して楽観視はできない。まずは好調なスタートを切ったクラブがいつまで継続して勝ち点を積めるか、そして現時点で下位のチームが何を浮上のきっかけとするのか引き続き注目したい。

J2リーグ:昇格組躍進の裏で過酷さ味わう降格組
例年、シーズン最終盤まで大混戦となるJ2リーグ。今季は序盤から大波乱が起こっている。現在首位を走るのは、昨季惜しくも最終節でJ1昇格プレーオフ進出を逃したジェフユナイテッド千葉。今冬エースFW小森飛絢ら数名の主力選手流出があったものの、新戦力の活躍もあり開幕4連勝を果たした。また、昨年J3を制して1年でのJ2復帰を成し遂げたRB大宮アルディージャも開幕から4連勝と波に乗る。FW杉本健勇やMF泉柊椰といった昨季は期限付きで所属していた選手たちが完全移籍へと移行した上でDFガブリエウやFWカプリーニといった即戦力を加え、さらに大卒2年目のFW藤井一志の覚醒もあり一気にJ1まで駆け上がる勢いを見せている。また、大宮と同じくJ3からの昇格組であるFC今治とカターレ富山も健闘。ともに直近は2連勝で上位につけている。
その一方で、まさかの苦戦を強いられているのがJ1からの降格組だ。北海道コンサドーレ札幌とサガン鳥栖の2クラブは第4節が終えた時点で未だに白星がない。札幌については引き分けもなく、Jリーグ3カテゴリーで唯一未だ勝ち点が「0」という不名誉な実績となっている。降格組の残り1つであるジュビロ磐田も、開幕2連勝を達成しながら第3節からは2連敗中と失速。こちらもJ2の厳しさを味わう序盤戦となった。
まだまだ4節終わったに過ぎないシーズン序盤とはいえ、昇格争いの中心と目されていた降格組の苦戦ぶりからはJ2の過酷さが窺い知れる。J3からの昇格組が揃って台風の目となりそうな予感が漂う序盤戦。果たして勢いを保ったまま駆け抜けられるチームがどれほど出るのか、今年も順位争いから目が離せない。

J3リーグ:混戦から抜け出すのは?
J3リーグも上位カテゴリーに負けず劣らず序盤戦から波乱に満ちたシーズンとなっている。まずは昨年のJ2昇格プレーオフ決勝でゲーム最終盤に2失点を喫して昇格を逃した松本山雅。今季こそJ2復帰を目指したいところだったが、3試合を消化して未勝利と先行き不安な立ち上がりとなった。
1年でのJ2復帰を目指す降格組3クラブは、鹿児島ユナイテッドがここまで全試合でゴールを挙げる得点力の高さを見せつけている一方で、冬に主力選手の多くがチームを去った栃木SCとザスパ群馬は早くも連敗を味わうなどやや心配な立ち上がりとなった。そんな実力上位と目されていたチームが苦戦するなか、昨年の低迷から一転好スタートを切ったチームもある。昨季15位のテゲバジャーロ宮崎と同17位の奈良クラブは、いずれも昨年前半戦では一度もなかった連勝を今季は早くも達成。前年とは違った姿を見せている。
現時点で負けなしは首位を走るFC大阪とアスルクラロ沼津の2クラブ。ただし、4連勝を成し遂げたクラブは出ておらずほとんど差のないシーズンの立ち上がりとなった。昨年はシーズンの最終盤までプレーオフ圏争いがもつれたJ3リーグ。今季も同様の展開を大いに予感させる序盤戦なだけに、J3からも目が離せない。