元ジュニアWRC王者のルフェーブルがERC本格復帰。計5戦で新型ヒョンデをドライブ
2025年3月27日(木)19時30分 AUTOSPORT web

かつて2014年のERCヨーロッパ・ラリー選手権で初開催となったジュニアERCでもタイトルを獲得し、近年は散発的な参戦に留まってきたステファン・ルフェーブルが、2025年に向け本格的な復帰参戦プログラムを発表。新たにチームMRFタイヤに加入し、ヒョンデi20 Nラリー2の改良版である同ステップ2でターマック(舗装路)イベントの計5ラウンドに出場する。
この33歳のフランス出身“舗装路マイスター”は、WRC世界ラリー選手権で昨季初王座を獲得したティエリー・ヌービルの運営するライフライブ・モータースポーツがプリペアしたヒョンデ新型モデルをドライブし、2022年と2023年にERCのチームズチャンピオンシップを連覇した強豪チームより、改めてERCタイトル獲得を狙うことになる。
「2022年以来、主要な国際プログラムに参加する機会がなかったから、今シーズンを本当に楽しみにしているよ」と、元シトロエンWRCファクトリードライバーを務め、ジュニアWRCとWRC3部門のチャンピオンを獲得したルフェーブル。
「僕たちはこの契約をまとめるために一生懸命努力してきた。この新しい挑戦に挑むのが待ち切れないね」
そのルフェーブルと彼のコドライバーであるアンディ・マルフォイのペアは、来月4月4〜6日にスペインのアンダルシア地方で開催される2025年開幕戦『第42回ラリー・シエラ・モレナ』から進捗著しいインド製タイヤとともに新シーズンを始めることとなる。
「このラリーはカタルーニャの路面に似ていて、地元クルーの激しい競争が予想される」と続けたルフェーブル。
「でも(エリック・カミリが参戦した)ル・トゥケでのペースを見ると、新型のヒョンデi20 Nラリー2ステップ2には真の可能性があり、最高の結果を出すために全力を尽くすつもりだ」
昨季7月の『ラリー・ディ・ローマ・カピターレ』にスポット参戦した以外、ルフェーブルが最後にチャンピオンシップに出場したのは2016年にまで遡るが、今季は開幕戦以降、そのイタリア戦の再戦に続き8月の『バウム・チェコ・ラリー・ズリン』、9月の『JDSマシナリー・ラリー・ケレディジョン』、10月の『クロアチア・ラリー』への出場が予定されている。
■今季2025年はERCに集中
一方、昨季2024年はそのチームMRFタイヤとともに最終戦『ラリー・シレジア』で勝利を飾っていたアンドレア・メベリーニは、ポルトガルを拠点とするレーシング・ファクトリーに移籍し、新たにピレリタイヤを装着したシュコダ・ファビアRSラリー2をドライブする。
「シーズン全体を走れることをとてもうれしく思うよ」と今季もバージニア・レンツィとのペアで挑むメベリーニ。
「大きなチャンスが待っているが、集中力を維持する必要がある。ヨーロッパ選手権では非常に速いドライバーが大勢いるにも関わらず(有効6戦の規定により)全ラウンドを走らないことが分かっている。だからこそ、昨年(連覇を決めたヘイデン・)パッドンが示してくれたように、全8戦でベストを尽くさなければならない。それができれば、最後の結果は僕たちにとって素晴らしいものになるだろうね」
ここ数シーズン、ERCと並行して母国イタリアで数多くのイベントに参戦してきたメベリーニだが、2025年はヨーロッパ選手権にのみ焦点を当てる予定だ。
「2025年シーズンはこれまでと違うものになるだろう。僕のクルマにピレリタイヤが履かれるし、これは見慣れないものになる。大きな変化だね」と続けたメベリーニ。
「チームも違うが、クルマの車種は同じ。これこそ僕たちが探していたものであり、レーシング・ファクトリーのおかげで実現した。改めてクルマを学ぶ必要はなく、シュコダからのボーナスプログラムはシーズンの残り期間のサポートにとって非常に重要になるだろうね」
その足掛かりとして、ERCで大きなチャンスを掴んだインドメーカーのサポートと、彼のキャリアを前進させるうえで果たした役割を認識し、改めて感謝の意も示す。
「2年間の緊密な協力の後、この経験で示されたサポートと信頼に対してMRFタイヤに心から感謝したいと思う」と25歳のメベリーニ。
「これは挑戦と満足に満ちた旅であり、その間にタイヤの開発に貢献する機会があり、ヨーロッパのラリーシーンでもっとも過酷なイベントのいくつかに挑戦した。彼らのようなつねに進化を続ける会社と一緒に仕事ができたことは、とても光栄だ。彼らの研究開発への取り組みは大きな進歩をもたらし、ラリーの世界で大きな成功を収めながら成長を続けると確信しているよ」