ブレガとのガチンコ対決を制したラズガットリオグル「食らいついて勝つことだけを考えた」/第2戦ポルトガル

　3月28〜30日、2025年スーパーバイク世界選手権（WorldSBK）第2戦ポルトガルラウンドがアルガルベ・インターナショナル・サーキットで開催され、トプラク・ラズガットリオグル（ROKiT BMW Motorrad WorldSBK Team）は開幕戦での雪辱を果たすパーフェクトウインを飾った。

　2024年はヤマハからBMWに移籍1年目にして、自身2度目の王者位輝いたラズガットリオグルだが、2025年シーズンの緒戦は決して幸先のいいスタートとは言えなかった。第1戦オーストラリアラウンドでは、レース1で表彰台を獲得するもレース2ではトラブルが発生し無念のリタイアとなり、怒りを露わにする場面も見られた。

　その怒りの要因としては、開幕戦ではニッコロ・ブレガ（Aruba.it Racing – Ducati）を筆頭に、好調なドゥカティ勢が表彰台を独占したこと。さらにラズガットリオグルは、今季WorldSBKのホモロゲーションによって昨年使用していたスーパーコンセッションシャシーが装備できないことにより、明るみに出た戦闘力の差があったことだ。そんな彼は「まるで『ドゥカティ・カップ』のようだ」と思わず吐露し、ホモロゲーションへの不満も示していた。

　ただ、今回の第2戦ポルトガルラウンドでは、初日のフリー走行1回目こそテクニカルトラブルにより1周もできずに終えたものの、そこから見事に復活しスーパーポールでポールポジションを獲得。さらにレース1、スーパーポールレース、レース2とすべてのレースでブレガと何度も順位を入れ替えながら最終ラップにまで及ぶ激しい攻防戦を繰り広げた。

　開幕戦では直線での加速不足が課題となっており、今回もレースを見ているとホームストレート上から1コーナーあたりで何度もブレガに先行を許す場面もあった。ただ、ラズガットリオグルはその都度ファステストをマークしながらブレガを猛追し、トップの座を奪い返して見事に目標としていたパーフェクトウインを達成。そんなラズガットリオグルは次のように週末を振り返った。

「今週末は本当に、すべてのコーナーでハードにプッシュしたんだ。チームに心から感謝している。全員が本当に懸命に取り組み、セッションごとにバイクを改良してくれた。ニッコロ・ブレガにもおめでとうと言いたいよ。彼は今週末、素晴らしい仕事をしてくれたし、本当に強い。だから僕も本当に嬉しいんだ。僕はファイターだ。戦うのが大好きだし、決して諦めない。バイクはまだ100パーセントではないけれど、勝つためにプッシュしたんだ」

「土曜日のレースは、フロントを失うことがよくあったから、僕にとってはより困難だったけど、ニッコロについていってレースに勝つことだけを考えていた。良いバトルだったよ。日曜日のレースは、ペースが信じられないほど速く、本当にハードにプッシュしたけど、バイクを改良してグリップが増したから、少しフィーリングが良くなったんだ。僕はポールポジション獲得と3勝を目標にここに来た。それをすべて達成できたから、僕にとっては信じられない週末だったよ」

　対するブレガも「昨年は苦戦したコースでトプラクと最後の1メートルまで戦えたことを嬉しく思うよ」とコメントを残していた。わずかに及ばなかったものの、終始白熱したクリーンなバトルを互いに楽しむことができた様子。

　ラズガットリオグルは第1戦オーストラリアラウンドから一転、今回の第2戦ポルトガルラウンドでは昨年と同様の強さを示し、ドゥカティとの一騎打ちバトルに競り勝つことに成功。ブレガとは29ポイント差のランキング2位につけているが、彼の目標はもちろん2年連続でのワールドチャンピオン獲得だ。次戦以降どのように巻き返しを図り、ドゥカティ勢を蹴散らしていくだろうか。